2013年6月アーカイブ

(ガード、胃食道逆流症)を患い、胃液が口まで逆流することにより虫歯になったり、貧血や胸痛を起こすこともあるという。24日のNHK番組「あさイチ」が日本人の5人に1人が抱えるこの疾患について紹介した。

(この画像はイメージです)

GERDをチェック項目で判定

GERDとは、胃酸などが食道に逆流することで引き起こされる疾患で、逆流性食道炎も病態の1つとして含まれる。主な症状として胸焼けや、胃酸の逆流が知られるが、意外なものでは虫歯、胸痛、咳(せき)、貧血、中耳炎などがある。番組では、GERDが悪化して食道がんに至った例も伝えている。

また、GERDの可能性を判定するために、医療機関で実際に使用するチェック項目として、下記のFスケール問診票についても紹介が行われた。

チェック項目:
(1) 胸焼け
(2) お腹が張る
(3) 食後に胃がもたれる
(4) 思わず胸をこする
(5) 食後に気持ち悪くなる
(6) 食後に胸焼け
(7) 喉に違和感
(8) 食事途中で満腹になる
(9) 飲み込むとつかえる
(10) 胃酸が上がってくる
(11) げっぷがよく出る
(12) 前かがみになると胸焼け
・いつもある・・・4点
・しばしばある・・・3点
・時々ある・・・2点
・まれにある・・・1点
・全くない・・・0点

*スコアが8点以上であれば約6割、10点以上だと約7割の確率でGERDの可能性が高いと判断される。

(NHK番組「あさイチ」(6月24日)より)

▼外部リンク

NHK「あさイチ」6月24日放送テーマより
http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2013/06/24/01.html


 糖尿病発症リスクの高い高齢者では、1日1回まとまった運動をするより、毎食後15分間の軽いウォーキングを行うほうが血糖改善に効果があることがわかった。

 米ジョージワシントン大学公衆衛生・保健サービス大学院(ワシントンDC)学長のLoretta DiPietro氏らによる小規模検討の結果で、1日3回15分ずつのウォーキングは、午前か午後に1回45分のウォーキングを行うより血糖管理に有効だった。特に夕食後の血糖低下については、食後のウォーキングが最も効果が大きかった。

 「Diabetes Care」6月12日号に掲載された論文によると、対象は平均70歳の高齢男女10例。4週間おきに2日間ずつ3回、研究施設に滞在してもらった。滞在中は48時間連続の血糖モニタリングを行った。各回とも初日は運動せず、2日目に①毎食後15分ずつのウォーキング、②午前45分のウォーキング、③午後45分のウォーキングを行ってもらい、2日間の血糖値を比較した。

 研究開始時の10例の空腹時血糖は105~125ml/dLで、正常より高かった。平均BMIは30で、肥満に分類されるレベルだった。

 毎食後に15分ずつのウォーキングを行う日は、食後30分から時速約3マイル(約4.828km)のトレッドミル歩行を開始してもらった。

 その結果、24時間血糖を下げる効果が最もあったのは毎食後のウォーキングだった。次いで早朝45分間のウォーキングも有効だったが、早朝や午後にまとめて歩行するより夕食後に短時間行うほうが効果は大きかった。

 DiPietro氏によると、夕食後の時間帯は糖尿病ハイリスクの高齢者にとって特に意味が大きい。インスリン産生が低下して血糖値が高いまま就寝すると、糖尿病発症リスクがさらに高まるからだ。今回の結果からは、適切な時間帯に行えば短時間で十分な糖尿病発症リスクの低下効果が得られるといえる。

 同氏によると、消化のために食後30分おいてからウォーキングを開始することには意味があるという。その間に血糖が血中に流れ出し、筋肉が血糖を代謝するために働き出す。その後の運動は、緩慢になっている膵臓にインスリン分泌を促す役割を果たすからだ。

 また、短時間で頻回の運動は、座ったままで時間を過ごしがちな高齢者にも実行可能だろう。「誰かと一緒に運動するのがベスト。犬と一緒のウォーキングや、使い走り程度でもよい」と同氏。

 ただし、同氏は糖尿病発症リスク低下という効果を得るためには、ウォーキングを毎日行うことが必要だとも強調している。

 この結果について米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医療センター(サンタモニカ)専属医のStephen Ross氏は、「生理学的にも意味が通っている。食後すぐの運動には筋肉による血糖代謝を促す効果があり、ひいては血糖改善を助けることになる」と述べている。

 同研究はNIHのほか米国加齢研究所(NIA)、および米国農務省(USDA)Beltsville 栄養研究センターの助成を受けて行われた。

 各地で蒸し暑い日が続く中、熱中症で病院に運ばれる人も増えている。体温が上昇してめまいや体のだるさ、意識障害などをもたらす。熱中症のピークは毎年7~8月で、特に梅雨が明けて急に暑くなる日や猛暑日が危ない。国も今年から7月を「熱中症予防強化月間」と決め、注意を呼びかけている。

 「ここ数年で2度熱中症にかかった。頭が痛くなり、2回とも点滴を打った」。石原伸晃環境相は6月7日、記者会見でこう答えた。環境省は熱中症に関係する6省庁連絡会議の事務局を担っており、トップが自らの経験を語り、注意を喚起した。

■2010年に1731人が死亡

 熱中症は高温多湿な環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かなくなったりして発症する。体温が上がり、めまいや大量の汗、頭痛、吐き気、体のだるさなどを引き起こす。重症だと呼びかけても反応がおかしかったり、けいれんを起こしたりして死亡するケースもある。

 総務省消防庁によると、今年は全国で2430人(速報値)が16日までに救急搬送された。これは年間搬送者が4万6千人に達した昨年の同時期(966人)を大幅に上回る。昭和大学病院(東京・品川)の三宅康史救命救急センター長は「空梅雨で暑くて湿度が高い。日照時間が長いなかで暑さ慣れができていないのが原因」と分析する。厚生労働省の調べでは、死者は昨年が720人、記録的な猛暑だった2010年は1731人になるなど、毎年多い。

画像の拡大

 今年の搬送者を都道府県別にみると大阪がトップだが、北海道から沖縄まで全国に及ぶ。患者の約半数は65歳以上。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚が若い人より低く、体の調節機能が低下しているためだ。

 ただ18~65歳未満も約3分の1を占め、小中高校生や体温調節機能が未発達な乳幼児でもかかる例がある。国立環境研究所の小野雅司フェローは「年齢ごとにかかりやすい状況が異なる。高齢者は家庭で、成人は仕事などの作業中、若者は運動している時、乳幼児は車内で発症しやすい」と解説する。

 熱中症を予防するには暑さを避けることが大切だ。気象庁は昨年から全国を対象に、当日もしくは翌日の最高気温がセ氏35度以上になりそうな場合、「高温注意情報」を発表し熱中症への警戒を呼びかけている。

 ただ、気温がそれほど高くなくとも湿度が高いと熱中症の危険性は高まる。「湿度が10%上がれば体感温度は1.3~1.4度は上昇する。同じように気温が推移しても湿度が違えば救急搬送者数はかなり変わる」(小野フェロー)ためだ。

環境変化と歯周病(2013/6/3 福島民友新聞社)

 生活習慣の見直しが大切

 歯周病とは歯と歯肉の隙間にたまったプラーク(歯垢(しこう))中の細菌が原因となって発症します。歯肉に炎症を起こした「歯肉炎」の状態であれば、プラークや歯石を取り除くことによって、元の健康な状態に戻すことができます。
 歯と歯肉の境目には「歯肉溝」と呼ばれる浅い溝があります。そこにたまったプラークの中の細菌が、歯周病の原因になります。また、「口腔(こうくう)内の環境」や「生活習慣」には、間接的に歯周病を引き起こしたり、悪化させたりするリスクファクター(危険因子)が潜んでいます。
 口腔内の環境の局所的リスクファクターとして歯石・歯並び・不適合な冠・「口呼吸」や「歯ぎしり」などの不良習癖があります。また、生活習慣の全身的リスクファクターとして喫煙・糖尿病・ストレス・不適切な食習慣があります。
 新年度が始まり、生活習慣(ブラッシング、喫煙、食生活など)が変化して精神的ストレスによって体の抵抗力が弱くなったり歯周病が悪化しやすい状態になります。
 歯周病を予防・改善していくためには、口腔内環境はもちろん、生活習慣を見直して、全身の健康状態を整えていくことが大切です。
 歯周病予防のため定期的に歯科医院を受診し、規則正しい生活習慣と適切なブラッシング指導を受けましょう。(県歯科医師会)

子どもの歯周病 歯みがきで予防(2013/6/11 NHK生活情報ブログ)

6月4日から10日までは「歯と口の健康週間」。期間中、歯や口の健康についてのさまざまな催しが各地で開かれました。このうち、東京の歯科医師会館では全国の小学校とインターネットで結んだ歯みがき教室が開かれ、小学生たちが最近子どもにも増えている「歯周病」を予防するための歯みがきの仕方を学びました。
200130611hamigaki_1.jpg

この催しは日本学校歯科医会などが開いたもので、東京の会場と全国のおよそ900の小学校をインターネットで結んで5万4000人余りの小学生が参加しました。
200130611hamigaki_2.jpg

200130611hamigaki_3.jpg


厚生労働省の調査によりますと、5歳から14歳までで虫歯がある割合は平成11年はおよそ45%でしたが、おととしは(平成23年)およそ21%と半分以下に減りました。

200130611hamigaki_4.jpg

その一方で、5歳から14歳までで歯周病など歯ぐきに異常がある割合は平成11年のおよそ37%からおととしはおよそ41%に増えています。

200130611hamigaki_5.jpg

このため、歯みがき教室でも歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先をあて、小刻みに磨くよう歯科衛生士が指導し、小学生たちが一斉に実践しました。

200130611hamigaki_6.jpg

小学5年生の男の子は「腫れていないかどうかなど歯ぐきのサインを見逃さずに、きょう学んだ方法を毎日の歯みがきに役立てたいです」と話していました。

200130611hamigaki_7.jpg

歯周病は、細菌によって歯ぐきに炎症が起きる病気で、重症化すると骨まで傷ついて最後には歯が抜けてしまいます。さらに、歯周病は口の中だけにとどまらず、糖尿病など全身の病気とも関わっていることが最近の研究で分かってきました。

子どものうちから毎日の丁寧な歯みがきを心がけ、予防に努めることが大切ですが、小学生の頃は乳歯と永久歯が入り交じって歯並びがいびつになっているため、隅々までケアが行き届きにくくなっています。専門家は「小さいうちは親が歯みがきの仕上げをすることが多いが、小学生ぐらいになるとそこまでしなくなる。親が継続的に子どもの歯をケアしていくことも必要だ」と指摘しています。

最後に歯周病を防ぐ歯みがきのポイントをまとめておきます。

●歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当てる。
●1~2本の歯を目安に歯ブラシを小さく動かす。
●軽い力で磨く。

皆さんで適切な歯みがきを心がけましょう。



歯並びや噛み合わせの良し悪しが人の寿命に影響する──にわかには信じがたいが、これは歯科医療現場では半ば常識となっている事実なのだ。

 横浜市立大学などの研究チームによる肝炎と歯周病治療の関係を調べた研究がある。

 最近増加している非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者に対して、歯周病治療を行なった結果、3か月後に肝機能の検査数値が正常になったという。

 このことから、歯周病の予防は、生活習慣病予防にもつながることがわかる。

 そのためには口腔内の歯周病菌を減らす必要があるが、自分で行なう歯磨きだけでは限界があるため、歯科医院で歯科衛生士などによる専門的口腔ケアを受けるのが効果的だ。

 取れにくい汚れを専門器具などで除去するPMTCという方法もあり、保険診療で1回約3000円で受診できる。