8月3日(土)(受付業務もお休みです)
8月15日(木)~18日(日)(受付業務もお休みです)
尚、8月12日(月)~14日(水)は診療いたします。
大阪大歯学部付属病院顎口腔機能治療部長・阪井丘芳さん
58歳女性。今年3月に歯茎の痛みで奥歯を抜いてから、唾液(だえき)が止まらなくなりました。昼間仕事をしており、どうしても気になってしまいます。歯科医にみてもらっても、原因はわからないと言われました。何か良い対策はありませんか。(岡山県・O)
■答える人 阪井丘芳(さかいたかよし)さん 大阪大歯学部付属病院顎口腔機能治療部長=大阪府吹田市
Q 唾液が出る仕組みは。
A 口の中にある耳下腺や舌下腺などの唾液腺から分泌します。何か物が口に入っている物理的刺激や、食べ物や飲み物で味を感じる味覚刺激がきっかけとなり、通常、1日の唾液量は1~1・5リットル程度です。
Q 相談者は唾液の多さが気になるようです。
A 実は、「唾液が多い」と訴える患者の多くは、唾液の量を調べてみると、通常の範囲に収まっているケースがほとんどなのです。
Q なぜ多いと感じるのでしょうか。
A 年を取ったり、薬を飲んでいたりすると、飲み込む動作がうまくできなくなる場合があります。そうなると、唾液が口の中にとどまるので、多く出ていると感じてしまいます。
Q 抜歯の影響は。
A 入れ歯のような異物が刺激となって、唾液が出ることも考えられますが、1・5リットルを上回るほどではありません。むしろ、口の中の変化を気にしすぎて、舌をまめに動かしてしまうと、唾液が泡になります。泡はのみ込みにくく、さらに口の中に長くとどまってしまいます。
Q 改善法は。
A まずは、歯科・口腔外科のある医療機関で唾液量が通常の範囲かどうか確かめてください。「つばは汚いから吐き出すもの」という心理的なハードルを感じる人もいます。唾液をのみ込んでも害はありません。唾液には保湿成分などが含まれ、のみ込むことで胃酸が中和されたり、傷を治すのに有効だったりします。唾液はからだに大切なものと考え、のみ込む習慣をつけていけば、徐々に気にならなくなります。
【桜井林太郎】奥歯のかみ合わせが悪いと、動脈硬化につながる可能性があることが、高齢者の健康長寿を研究している大阪大や東京都健康長寿医療センターなどのチームの調査で示された。緑黄色野菜や果物などをあまり食べなくなり、栄養摂取に偏りが出るためらしい。
歯周病が細菌感染や慢性炎症を通じて動脈硬化につながることを示す研究はあるが、歯のかみ合わせ自体が、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中につながる動脈硬化のリスクになることを初めて示した。
研究チームは兵庫県の伊丹市と朝来市に住む70歳の男女300人に対し、歯科検診で奥歯の状態を、超音波検査で動脈硬化かを調査。高血圧や糖尿病、喫煙など動脈硬化のリスク要因と歯周病の影響を取り除いて分析した。
その結果、正常ならば4カ所ある奥歯のかみ合わせが全くない人たちは、すべてある人たちより1・97倍も動脈硬化になりやすいと出た。参加者の食事内容から栄養摂取との関連を調べたところ、かみ合わせが悪いと、緑黄色野菜や果物、魚介類をあまり食べないことが浮かび上がった。
阪大歯学研究科の池辺一典講師は「歯のかみ合わせが悪くても、緑黄色野菜や果物をしっかり食べるとともに、入れ歯の方も含め、かみ合わせ状態を定期的にチェックしてほしい」と助言する。