2013年8月アーカイブ

どんな食べ物も、口臭の原因になる

どんな食べ物も、口臭の原因になる昼休み後に歯磨きをしているビジネスパーソンも多い。ぜひ、舌も同時に磨いてほしい

髪や肌、以前よりも衰えを感じる部位はたくさんあるが、なかでも気になるのはニオイ。この時期、体臭はもちろんのことだが、一年中気になるといえば口臭。自分では気づきにくいため、余計だ。

ことニオイの強いものを食べた翌朝など、若いときに比べて、自分の口がニオうような...。以前、男性の健康的ライフスタイルを目指すWebマガジン「Men's HOLOS(メンズホロス)」では、「緊急事態をしのぐ、デキる男のブレスケア術」という記事のなかで、レモンや梅干し、緑茶、紅茶などが口臭の防止に効果的と取り上げている。

しかし、そもそも口臭が生まれてしまう原因とは何なのだろうか? 口臭にまつわる著作も数多い、ほんだ歯科の本田俊一先生(日本口臭学会常任理事)に伺った。

「病気でもないのに口が臭い、これを生理的口臭といいます。特に気になるのが食後の臭いですが、これは口の中に食べ物が残っていることが原因です。最初は食べ物そのものの臭いがしますが、徐々に腐敗が始まり酸性化します。口の中が酸性に傾くと酸っぱい臭いとなり、それが食べ物の臭いと混ざって不快な臭いを放つんです」

本田先生によれば、どんな食べ物であれ、そのカスが口に残る限りは臭いの元になり得るという。通常であれば、唾液が酸性に傾いた口内を中和してくれるが、加齢などによって唾液の分泌が減ったり、唾液の中和能力が低い人の場合はその働きが低下し、悪玉菌が暴走してしまうのだとか。結果、口臭や虫歯につながりやすい。やはり食後に歯を磨いて、食べカスをキレイに取ることが大事なのだろうか?

「確かにみなさん食後に歯を一生懸命磨きますよね。しかし、じつは歯にはほとんど食べ物は残っていません。では、どこに残っているかというと、ほとんどが舌の上。舌の上には舌乳頭と呼ばれる無数のヒダがあり、そこに食べ物が詰まりやすい形状になっているんです。食べ物だけでなく、飲み物も同様で、特にコーヒーは舌の上に残りやすく口の酸性化を招く代表格ですね」(同)

清潔にすべきなのは歯ではなく、舌だったのだ。では、食後の正しいブレスケア方法とは?

「まずは水を含みクチュクチュと何度もうがいをして、口の中をキレイに洗浄してから飲みます。次に、再度水を含み舌なめずり します。飲みこむ時に味や臭いが無くなるまで数回行うと舌の上がキレイになります。その後はガムを噛んで唾液をたっぷり出してあげましょう。これだけで、飲食後のニオイをおさえることができます。なお、食後の歯磨きは口臭予防という観点ではさほど意味がありません。就寝直前と歯垢(菌の固まり)が最も多い朝起きてすぐの2回がベストです」(同)

正しいケア方法で、いつまでもスッキリ爽やかな息を保ちたいものですね。(出張・メンズホロス編集部)

オーラルケアを週間に(2013/8/19 福島民友新聞)

オーラルケアを習慣に

 正しい歯磨きでむし歯予防

 歯と口の二大疾患は、むし歯と歯周病でいわゆる感染症ですが、原因となる細菌が口の中に存在していても、活発な活動を抑制できれば予防できることをご存じでしょうか。それには歯みがきなど、きちんとした生活習慣を身に付けることが大切です。
 むし歯や歯周病など、歯と口の主なトラブルの原因はプラーク(歯垢(しこう))で、むし歯の原因菌であるミュータンス菌や歯周病の原因菌など生きた細菌の塊です。粘着性があるので簡単には取り除くことができません。プラークを付着したままにしておくと、口の中がとても危険な状況になります。
 口の中の状態は一人一人違います。歯みがきも一人一人に合った方法で行うかどうかで効果に差が出ます。
 歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間、矯正装置の周りなどは毛先が届きにくいために磨き残しができやすい箇所です。悪い癖を直さないと、磨き残しがあるところはいつまでたってもプラークが残ります。
 歯科医院できちんと歯みがき指導を受けて、自分の磨き癖を知り、自分の口の中や歯の状態に合った効果的な磨き方を習得してください。定期的な健診とプロフェッショナル(歯科医師、歯科衛生士)の指導を受けて、さあ、今日からオーラルケアを習慣化させましょう。(県歯科医師会)

 家人から「最近、猫背がひどくなったんじゃない」と言われた。実は自分でも気になっていた。地下鉄の窓に映るスマートフォン(スマホ)を見る自分は、以前よりひどい猫背に見える。スマホを見る時間が増え、姿勢も悪くなったように思う。猫背を直す方法はないものか。

 そもそも、人はなぜ猫背になるのだろうか。竹谷内医院(東京都中央区)院長で、カイロプラクティック療法をする整形外科医の竹谷内康修さんによると「楽だから」。背筋を伸ばした姿勢を保つには筋肉に力を入れる必要がある。それよりも力を抜いた猫背のほうが楽なのだそうだ。

■肩こり腰痛の原因 相手に悪印象も

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 それなら力が抜けた猫背のほうが体にいいのではないか、というと、そうではないらしい。4~5キログラムあるといわれる人間の頭を支えるには、頸椎(けいつい)の上に頭がある正しい姿勢のほうが体への負担は少ない。「痛みこそないが、猫背は体に負担をかけている」(竹谷内さん)。長い間猫背を続けることで、負担が積み重なり、肩こりや腰痛の原因になる。

 「猫背はビジネスにとってもマイナスになる」というのは、元客室乗務員の人材育成トレーナー、美月あきこさん。「猫背はだらしない服装と一緒。相手に悪印象を与える」。街を歩く男性を見ると「姿勢を気にしていない、無防備な人が多い」と感じるという。

 では、猫背はどうすれば直るのか。竹谷内さんによれば「その人が一番長く取っている姿勢から直すべきです」。スマホを見る時間でしょうかと尋ねると「たぶんパソコンだと思います」という答えが返ってきた。「実際に時間を計ってみたら?」

 さっそく1日でパソコンとスマホをどのくらい見ているかを確認してみる。結果は予想以上にパソコンを見る時間が長かった。8時間28分にも上る。確かに最近は家に帰ってからも動画やSNS(交流サイト)など、パソコンの前に座ることが多い。「立ったときの姿勢よりも、座ったときの姿勢を直すべきです」

 竹谷内さんによると「ノートパソコンは画面が低い上に小さいのでのぞき込むような姿勢になる」ため、猫背になりやすいという。会社ではノートパソコンを使っているため、外付けのキーボードとディスプレーを接続して、姿勢を正す。さらに椅子と机の距離が遠いと背筋を伸ばした姿勢が取りにくいので、机の下の資料を整理し、深く腰掛けられる環境をつくった。

 最初は窮屈な気もしたが、慣れるにつれ伸ばした背筋を心地よく感じるようになった。しばらく作業したら両手を後ろに回し、背中を伸ばすストレッチをするようにも心がけた。

■携帯端末は顔の前 極力見ないと◎

 次に直したいのは、1日3時間以上にもなったスマホの使い方だ。極力見ないように心がけ、急ぎのメールをチェックするときは見方を変えることにした。

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 おなかの前で見るとどうしても猫背になるので、顔の前で見る。この姿勢は右腕が疲れるため、左手で右肘を支える形にした。ずいぶん腕が楽になる。ただし「できるだけ見ないに越したことはない」(竹谷内さん)。

 高い位置でスマホを見るようになると、やはり普段立っているときの姿勢も気になってくる。美月さんにきれいに見える立ち方を教えてもらった。

 おへその下あたりにある「丹田(たんでん)」に力を入れて、次につむじを上から引っ張り上げられているようなイメージで背筋を伸ばす。「さらに肩甲骨を少し近づけるようにして、胸を張ってください」。確かにこうすると背筋が真っすぐになる気がした。

 この状態を横から見ると、耳、肩、腰の中心、くるぶしが一直線になる。これが正しい姿勢だという。「家を出る前や、トイレで服装をチェックするときに姿勢も確認しましょう」

 アドバイスに従い、正しい姿勢に挑戦してみる。しばらくすると、うれしいことに同僚から「姿勢、よくなりましたね」と声をかけられた。だが油断するとすぐ猫背に戻ってしまう。意識せずに正しい姿勢を保てるようになるのだろうか。

 きれいな姿勢といえばバレリーナ。彼女たちは意識せずにきれいな姿勢を保っているのだろうか。世界五大バレエ団の一つ、アメリカン・バレエ・シアターで活躍する加治屋百合子さんは「自然に身についている部分もあるが」と前置きをした上で「常に『私はバレリーナだ』と意識して美しい動き、立ち居振る舞いをするように心がけている」と教えてくれた。

 長年、バレエを続けている加治屋さんでも「油断すると猫背になってしまうので気をつけています」。簡単に身につくわけではなさそうだ。

 加治屋さんは「よい姿勢を取る、というより『首を長くする』という意識を持つように心がけている」という。「『首を長く』と意識すると背筋がスッと伸び、肩の力も抜けて、ナチュラルな本当によい姿勢になれると思います」

記者のつぶやき
 美月さんが教える女子大生たちも「きれいな立ち方が身につくまでには3カ月、自然に立てるようになるまで半年はかかる」という。あきらめずに、背筋を伸ばして仕事に取り組むのが大切、ということか。
 医師の竹谷内さんによると「たとえ正しい姿勢であっても同じ姿勢を続けるのは体によくない」そうだ。スマホやパソコンは画面を見続けるうちに、あっという間に時間が過ぎていることがある。改めて気をつけたいと実感した。守るのは難しいけれど......。


  7月30日(ブルームバーグ):歯周病を引き起こす細菌がアルツハイマー病患者の脳に入り込んでいることが、英国での研究で分かった。お口の健康が脳の健康に欠かせないことがうかがわれる。

ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズに掲載された研究結果によると、アルツハイマー患者の脳のサンプル10のうち4つに、歯周病の原因菌として知られるポルフィロモナス・ジンジバリスの痕跡が見られた。一方、同年齢で認知症の症状が出たことのない10人の脳からはこの細菌は見つからなかった。

この結果は口内菌が血管を通じて脳など体の他の部分に移動するという説を裏付けたと、研究を率いたセントラル・ランカシャー大学医科歯科学部長のセントジョン・クリーン氏が電話で述べた。この説によれば、菌が生成する化学物質が蓄積しアルツハイマーを引き起こし得る。

原題:Bacteria in Brains Suggests Oral Hygiene Has Role inAlzheimer's(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Kristen Hallamkhallam@bloomberg.net