2013年11月アーカイブ

盲点!美肌のためにはお口のケアが肝だった!

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口元や唇が美しい人ってついつい目がいってしまいますよね。口の老化を防ぐためのケアは、魅力的な女性を目指すにあたって欠かせません。今日は肌の美しさを際立てるためにも目指したい口元の老化を防ぐポイントをお話したいと思います。

■口と老化の関係

口の老化と全身の老化は深い関係があります。たとえば噛む力や口を動かす力が弱ってしまうと、全身の筋力も同様に衰えてしまうとされています。

また、唾液には「パロチン」という皮膚や脳の老化を抑制する成分が含まれているので、唾液を排出することは老化を防止することでもあるのです。口の中を清潔にして、正常な働きを保つことは肌の老化を防止することに繋がると言っても過言ではありません。

■口臭も老化のサインかも!?

口の中を清潔に保たないなど、口にストレスや負担をかけることは口の老化を促してしまいます。たとえば、寝る前に歯を磨かなかったり、歯の定期検診に行くこと無く、虫歯になった時だけ歯医者に行くといったように歯に対して細やかなケアをしていない状態は、口の老化を誘発してしまいます。

また、煙草を吸っていたり、夜更かしや偏った食生活のせいで口の中が荒れている人も要注意。口臭も口の老化のSOSの可能性が高いので、思い当たる節がある人は気をつけた方が良いかもしれません。

■口の老化を防ぐトレーニング3つ

(1)唾液を増やすためのトレーニング

左ほほから右ほほを思いっきり膨らませます。次に上唇から下唇も膨らませて。そうすることで唾液の分泌量を増やしてくれる大唾液腺を刺激し、口内の唾液を増やす効果が。

(2)噛む力を強くするトレーニング

「イー」と発音しながら口角を斜め後方に引き上げた後に口をすぼめて「ウー」と発音します。これを何度か繰り返すことで口の周りの筋肉が鍛えられ、噛む力に繋がります。口の周りのたるみの防止にも。

(3)舌を鍛えるトレーニング

舌全体を上あごに吸い付けるようにつけた後、弾かせて音を鳴らします。舌を伸ばしたり、力を入れることで飲み込む力を鍛えることが出来ます。

口周りは少し変わるだけでも驚くほどに顔の印象が変わるもの。肌の綺麗さをも左右するかもしれないからこそ口内環境も合わせて健やかに保ちたいものですね。


歯磨きで心臓を健康に (2013/11/8 ヘルスデイニュース)

歯磨きで心臓を健康に(2013.11.18掲載)

健康な歯肉は心臓に良い――こんな研究結果が、「Journal of the American Heart Association」オンライン版に10月28日掲載された。米コロンビア大学メールマン公衆衛生学部疫学准教授のMoise Desvarieux氏らの研究。

研究の結果、歯肉の健康が改善すると、動脈でのプラーク形成が遅くなることが判明した。この動脈の狭窄はアテローム性動脈硬化症と呼ばれ、心疾患、脳卒中、死亡の主要な危険因子。今回の研究の被験者は、歯肉の健康と頸動脈のプラーク形成を評価する検査を受けた成人420人。約3年間の追跡調査で、歯肉の健康の改善と歯肉感染症(歯周病)に関連する細菌の割合の減少は、頸動脈でのプラーク蓄積速度の低下と関連していた。

Desvarieux氏は、「アテローム性動脈硬化症は、歯周病と歯肉の細菌プロファイルの両方と並行して進行するため、この結果は重要であり、歯周の細菌プロファイルの修正が両疾患の予防または遅延に重要な役割を果たす可能性を示す最も直接的なエビデンス(科学的根拠)である」と述べている。

動物試験では、歯周病関連の細菌がアテローム性動脈硬化症に関連する炎症を引き起こす可能性があることが示唆されている。定期的な歯科受診と日々のオーラルケアにより、歯周病リスクが低下する可能性がある。(HealthDay News 11月4日)

口の中に700種以上 特異な虫歯・歯周病菌で病気に 
生活習慣改善で予防を

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2013/11/15付

 虫歯や歯周病は、全身の病気に関わっているといわれる。最近の研究では、こうした病気の幾つかはバランスのとれた食生活によって、症状の悪化を食い止められる可能性が出てきた。さらに、すべての虫歯・歯周病菌が悪さをするのではなく、特異な種類が元凶だと分かってきた。菌を根絶するのは難しいが、生活習慣の改善は少しずつ取り組める。歯の手入れや定期健診、早めの通院と合わせ、気にとめておきたい。

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 「米国では心臓病学会と歯周病学会が共同で心疾患と歯周病の関連を公表している」。大阪大学歯学部の和田孝一郎准教授は歯周病や虫歯と全身の病気の関係を、横浜市立大学の消化器内科の専門家らと共同研究している。

 培養細胞と動物、実際の人と3通りの実験で調べる。すでに、潰瘍性大腸炎や脳出血に加え、アルコールをほとんど飲まないのに肝臓に脂肪がたまって炎症を起こす非アルコール性脂肪肝炎や、動脈硬化などが関わっていることを突き止めた。

■血液通じ全身に

 口腔内の細菌は、主に3グループに分かれる。1つが病原性を示さない種類、次に糖分から作った酸で歯を損なう虫歯菌、歯を支える歯茎に障害を与える歯周病菌だ。驚いたことに、口腔(こうくう)内にいる700種類以上の菌の全てが悪さをするわけではなかった。特別な種類の虫歯菌や歯周病菌が元凶だった。同じ種類でも遺伝子の型で悪影響の程度が違った。

 大阪大学のチームは、非アルコール性脂肪肝炎と診断された102人から唾液を採取し、歯周病菌の種類を調べた。その結果、「P・ジンジバリス」という菌の保有率は、健康な人は21%、脂肪肝の人は46%。脂肪肝炎の人は52%に達した。同大の天野敦雄教授らの研究では、健康な人と歯周病の一種の歯周炎患者で比べても、菌の保有者は健康な人で36%で、歯周炎だと87%だったという。

 この菌は遺伝子の型で6種類ほどに分類できる。健康な人では菌がいても特に悪さをする高病原性の種類は少ない。歯周炎の人は逆にほとんどが高病原性だった。

虫歯菌や歯周病菌が遠くの臓器に影響するのは、血液の中に溶け出して体中を巡るためだ。潰瘍性大腸炎では虫歯菌が肝臓に取り込まれて免疫反応に異常が起き、腸の粘膜で炎症が悪化すると考えられる。一方、脳出血では、傷ついた血管内部に虫歯菌の特殊なたんぱく質が取り付き、傷の治りを遅くする。

 ただ、特別な種類の虫歯や歯周病菌がいるといっても、感染すれば誰もが非アルコール性脂肪肝炎などになるというわけではなさそうだ。和田准教授は「歯周病菌だけを怖がっても仕方がない。病気を引き起こす条件がある」と話す。

■歯の健康に脚光

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 興味深い実験結果がある。脂肪分の多い食事を4週間与えて脂肪肝になったマウスに、歯周病菌を感染させて再び8週間続けて高脂肪の食事を与えてみた。計12週間後には、マウスの肝臓は線維化してしまうことが確認された。だが、歯周病菌を感染させた後でも、正常食を与えたマウスには肝臓に変化がなかった。実験結果は「歯周病菌と高脂肪の食事という組み合わせが、病気の進行に関わっていることをうかがわせた」(和田准教授)。

 生活習慣病対策の大切さがいちだんと増す。発症や症状の進行を予防するには、歯周病を防ぐだけではなく、バランスのとれた食事や規則正しい食生活、適切な運動が求められているといえそうだ。

 もっとも、歯の健康管理は大切だ。日本では100万~200万人の非アルコール性脂肪肝炎患者がいると推定される。一部は肝硬変に進行し、最悪の場合は肝臓がんになる。

 患者10人の歯石を除去したり抗生物質で歯茎の炎症を抑えたりして治療すると、3カ月後には肝機能の数値がほぼ正常になったという。

 歯周病は、歯と歯茎の間の歯周ポケットの深さが通常の1ミリメートルが4ミリメートル以上になっている状態だ。深くなる分、菌が歯肉に触れる面積が増えて、血液内に取り込まれる確率は高くなる。

 4ミリ以上の場合、表面積は72平方センチメートルと大人の手のひらほどになる。

 歯の健康は、おいしいものをいつまでも食べて長寿につなげる条件の1つといわれてきた。今後は全身疾患の予防につなげる目的も加わりそうだ。これまで以上に歯を大切にしていきたい。

入れ歯と口臭の関係は? (2011/12/27 あなたの健康百科)

入れ歯と口臭の関係は?

より口臭がきつくなりますか?

(60代 男性)

入れ歯はニオイ物質が付きやすく、口臭の原因になりやすいです。

床義歯とは

 取り外しができる入れ歯(床義歯=しょうぎし、といいます)は、大きく2種類に分けられます。歯が1本でもあれば部分床義歯、歯が全くなくなったときには全部床義歯を入れます。床義歯はどちらも、人工歯とそれを支えるピンクの床から成り立っています。その床の部分で義歯を口腔内に安定させますが、それに加えて部分床義歯では、クラスプ(金属のバネ)を歯にかけることで、義歯を維持・安定させます。

床義歯のニオイ

 歯の表面に歯垢(しこう)がたまるのと同じように、義歯の表面に歯垢がついたように汚れていることがあります。この汚れは悪臭の大きな原因となります。歯垢は目で見て判断できますし、比較的容易に除去できるものです。

 これとは別の義歯のニオイがあります。ピンクの床の部分は、口腔粘膜によく馴染むように吸水性にすぐれる素材でできています。そのため、細菌もよく浸み込んでしまいます。この場合、細菌の栄養源としては、唾液成分や新陳代謝ではがれた口腔粘膜上皮などが想定されています。きちんと手入れをせずに、細菌が付いたままの不潔な状態が続くと、悪臭が発生し口臭の原因になります。この汚れは見た目にはなかなかわかりにくいものです。

 なかにはカンジダという真菌が付着して取れなくなっていることもあります。この場合、口腔カンジダ症という口内炎を起こしやすくなります。

 また、部分床義歯でクラスプのかかっている歯は、その歯の表面やクラスプの部分に歯垢が付きやすく汚れやすいので、それが原因で口臭が発生することがあります。

義歯のニオイの予防法

 歯垢のような汚れがつかないように、食後は毎回義歯を洗う必要があります。義歯の表面的な汚れを毎回しっかり取ることによって、義歯自体につく頑固なニオイを予防できます。流水下で、軟らかいブラシを用いて洗って下さい。堅いブラシを使って表面に傷が付くと、かえって細菌が付着しやすくなります。

 夜は義歯を外ずして寝ます。夜中は唾液の分泌量が減るものです。そのため就寝中は細菌が増加するといわれています。そのような状態で義歯をしたまま寝てしまうことは、義歯や口腔粘膜が不潔になりやすいのです。入れ歯洗浄剤などの使用も、義歯を清潔に保つために有用です。


臨時休診および年末年始の休診の休診のお知らせ

臨時休診
平成25年 11月30日(土)午後
平成25年 12月13日(土)午前•午後

年末年始 休診
平成25年 12月27日(金)午後 〜 平成26年 1月 5日(日)まで

口臭は誰にでもあるが、必要以上に気にする人が少なくない。仮性口臭症や口臭恐怖症と呼ばれるものだ。口臭は一般的に、1日のうちで強くなる時と弱くなる時がある。こうした口臭の日内変動を自覚することが、不安の解消につながるようだ。東京医科歯科大学歯学部付属病院息さわやか外来の川口陽子診療科長に聞いた。

起床時や空腹時強い

 川口診療科長によると、口臭を気にして同外来を受診した人のうち仮性口臭症は13.3%、口臭恐怖症が0.3%いたという。

 「いずれも口臭が生理的な範囲内にあるにもかかわらず、自分では強いと悩んでいます。特に口臭恐怖症では、対人恐怖や社会的不適合を招いて、日常生活に支障を来す場合もあります」

 こうした状況を改善するには、世の中に無臭の人はおらず、誰にでもある程度の口臭はあることを理解するのが必要だ。

 「生理的な口臭は起床時に一番強く、朝・昼・晩の食前(空腹時)に強くなります。このように日内変動があることを理解して、口臭がいつ強くなるかみてみましょう」(川口診療科長)

家族に聞いてみる

 同じ臭いをずっと嗅いでいると慣れてしまうので、自分の臭いを自分で判定するのはかなり難しい面もある。気になるなら、家族に自分の息が嫌な臭いがしていないかを率直に聞いてみるのも一手だ。

 「仮性口臭症や口臭恐怖症は他人の態度やしぐさを見て、自分には口臭があるのではと不安に思う人が多いのです。口臭で長い間悩んでいた若い女性の患者さんが、親しい男友達ができたら、自信を持てるようになって悩みから解放されたケースもあります」(川口診療科長)

 しかし、口臭で悩んでいる人の中には、うつ病や統合失調症などの病気が隠れていることもある。

 「こうしたケースでは心療内科や心療歯科での治療が必要です。悩んでいる人はまず、歯科大学の口臭外来を受診するとよいでしょう。口臭測定器と医師の嗅覚で臭いの強弱を調べる検査で診断できます。その結果、生理的な範囲内と診断されたときには、口臭には日内変動があるのだということを理解して、神経質にならないように」と川口診療科長はアドバイスしている。


虫歯がなくても歯医者に行く習慣がありますか?

パナソニックは、30代から50代のアメリカと日本の男性ビジネスマンを対象に「歯とオーラルケアに関する意識調査」を実施した。調査は10月17日~22日にかけて行われ、400人から有効回答を得た(各国200名)。

アメリカ男性の約8割は虫歯がなくても歯医者に行く

まず、虫歯がなくても歯医者に行く習慣があるか尋ねたところ、アメリカ人男性は76.0%が「行く」と回答。しかし日本男性ではアメリカ人男性の半数以下の36.0%だった。

使っているオーラルケアグッズについて聞くと、アメリカ男性は電動歯ブラシやマウスウォッシュなど、様々なオーラルケアを実施していることがわかった。割合を見ても、ほぼ全てのオーラルケアにおいて、アメリカ男性が日本男性の倍以上の割合となっている。アメリカ男性はオーラルケアの予防を重視していることがわかる。

使っているオーラルケアグッズ

オーラルケアにかける金額、アメリカは日本の6倍

次に、虫歯があることは恥ずかしいと思うか尋ねると、恥ずかしいと回答した割合はアメリカ男性69.5%、日本男性46.0%だった。また、虫歯があることで魅力が大きくダウンすると回答した割合も、アメリカ男性48.0%に対し、日本男性は14.5%に留まっている。

歯をキレイに保つために時間もお金もかけていいと思うか尋ねたところ、アメリカ男性は86.5%もの人が「そう思う」と回答した。一方日本男性は41.0%と半数以下になっている。年間でオーラルケアにかけている金額を聞くと、アメリカ男性は平均約3万6,000円、日本男性は平均約6,000円で、約6倍もの差が出た。

歯をキレイに保つために時間もお金もかけていいと思いますか?

虫歯になった経験について聞くと、アメリカ男性は25.0%が「一度も虫歯になったことがない」と回答したのに対し、日本男性ではわずか4.5%に留まった。虫歯未経験者が多いアメリカ男性におすすめオーラルケアグッズを聞いたところ、「歯ブラシ」「糸ようじ」「マウスウォッシュ」などに加え、半数以上の人が「電動歯ブラシ」を推奨している。

どのくらいの頻度で虫歯になりますか?

お悩み:ぶつけて歯が抜けた(2013/11/12読売新聞)

専門家が回答
育児お悩み解決!
ぶつけて歯が抜けた

医師会や幼児教育の専門家が皆さんのお悩みに答えました。


お悩み:ぶつけて歯が抜けた

<お悩みの内容>
5歳のサッカー大好きな息子がいます。先日、顔をぶつけて、歯が抜けたお母さんから話を聞きました。牛乳に入れておいた。という話にびっくりしました。ぶつけて歯が抜けた時の対応方法を教えてください。

<専門家による回答>
こんなときはあわてちゃだめです!
けがで抜けた歯は30秒くらい水道水で洗ったら、牛乳または口の中(ほっぺの内側)に入れておき(歯牙保存液があればその中が最適です)できるだけ早く歯科医院へ行きましょう。

歯をさがす
水道水で軽く洗う(30秒くらい)
歯牙保存液があればそれに入れるのが最適
※歯牙保存液は学校歯科医・嘱託歯科医または近隣の歯科医院へお問い合わせ下さい。
牛乳の中に入れる または、ほっぺの内側に
できるだけ早く(30分以内に)歯科医院へ行く
歯を元に戻してもらう

1日2回の歯磨きで予防できる病気

マイナビウーマン

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ざっくり言うと

  • 歯磨きをする習慣のある人は心臓発作・脳卒中のリスクが低いことが判明
  • 有害なバクテリアが体内に入るのを防ぐ効果があるからだと考えられている
  • 朝晩最低2回の歯磨きは、命に関わる血管のトラブルにも効果がある

1日2回の歯磨きで「心臓発作」「脳卒中」を予防できる!―米研究

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1日2回の歯磨きで「心臓発作」「脳卒中」を予防できる!―米研究

420人を対象に3年かけて行われた調査で、歯磨きをする習慣のある人は心臓発作・脳卒中のリスクが低いことが分かりました。有害なバクテリアが体内に入るのを防ぐ効果があるからだと考えられています。

言うまでもなく、朝晩最低2回の歯磨きは、虫歯、歯周病、口臭を防ぐためにマスト。でも、お口のトラブルだけでなく、命に関わる血管のトラブルにも効果的なんです。

ニューヨーク、コロンビア大学の研究チームは、420人を対象に、3年以上に渡り、歯周病と動脈硬化の関係を調査してきました。この結果、1日2回以上の歯磨きをする人は、心臓病や脳卒中などの動脈硬化を原因とする病気のリスクが低いことが分かりました。

私たちの口の中には、700種類に及ぶたくさんのバクテリアがいます。歯磨きをせずに放置すると、それらはどんどん増殖し、体内、そして血管の周りにも侵入します。この一部が血管のなかで固まることで、血管が狭くなったり血栓を作り、心臓発作や脳卒中を引き起こすのだと考えられています。

心血管系の病気はコレステロールばかりが原因と思われがちですが、お口の中の細菌もかかわっているなんて意外!そして怖い!深刻な病気を防ぐためにも、こまめな歯磨きは欠かせませんね。

参考:Regularly brushing your teeth lowers the risk of heart attacks and strokes
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2492311/Regularly-brushing-teeth-lowers-risk-heart-attacks-strokes.html


根の先に膿などがたまった場合、どのような治療法がありますか?

<専門家へきいてみよう 「質問する」より> 

〔症例〕 50代 男性
〔症状〕 歯の根の先に膿がたまって腫れています。痛みもあります。どのような治療法がありますか?

歯の頭から治療して膿を出す場合と、歯肉を切開する方法があります。 

 膿ができる原因によって治療が違います。

 「根の先が腫れる」とは、歯の神経と血管などに細菌が感染して化膿菌が増加し、周りの骨を溶かしてトンネルを作り、頬側(まれに舌側)がプクッと膨れる状態をいいます。

1.緊急処置

 緊急時には、麻酔をして歯肉を切開します。黄色い膿や赤い血液が混じったものが出てきますので、これをしっかり出せば、まずは楽になります。次に、抗生物質で抗菌します。レーザーを使うことも有効です。これで楽にはなりますが、原因を調べて再発を防ぐ処置を行う必要があります。もちろん、歯茎(はぐき)が腫れても切開せずに歯の頭の部分から根の治療を開始することで症状が軽快する場合もあります。

2.診 断

 歯の根が病気になる原因は、大きく分けて「歯の細菌感染」「歯周病」の2つが考えられます。歯周病が進行すると歯茎の辺りから歯の根元近くまで腫れることもあります。どちらが原因か判別することが大切です。

 まずは、原因を調べて排除するために、次のような診査・診断を行います。

(1)「歯の細菌感染」か「歯周病」かを判別します。
(2)主に歯の根に症状がある場合、歯の神経が生きているか、死んでいるか、過去の 治療の有無などをX線写真やCT画像から正しく診断します。

 また、軽く歯をたたいて痛みを感じるかどうかを調べる打診痛の検査や、電気による神経の生死の検査も大切です。さらに大事なことは、原因と考えられる歯と周辺の歯の病歴をたどることです。原因と思われる歯が分かれば、歯周病治療または歯内療法(しないりょうほう=歯の根の治療)を行います。

3.治療方法

 ここでは「歯の根の治療」に限って説明します。

 歯の根を治療した病歴がなく、神経が生きていないと分かれば歯の根の治療をします。歯の根が既に治療済みでも、再治療が必要と診断されると詰め物・かぶせ物を取り除き、むし歯を治療するなど歯の頭の部分から再度歯内療法を行います。

 しかし、かぶせ物などを付けていたり、歯の土台(芯)が入っていたりする場合に、これらを取ることによって歯を壊す恐れがあれば、次の方法が行われます。

【歯根端切除術】

 歯の根の治療を過去に完了して薬剤が充填(じゅうてん)されていても、根の先に膿 が多量にあり頬まで腫れている場合は、感染が強いので、すぐに膿を取り除く必要があります。根の先付近の歯肉を開いて骨と歯の根の感染部分を取り除き、根を閉鎖(歯根端切除術)して洗浄します。

 必要があれば骨を作るために、化膿部分であった空間に詰め物をすることもあります。 レーザーも有効です。さらに抗生物質を服用します。この方法で既に入っているかぶせ物などを壊さないで治療を完成することが可能になります。


定期健診のすすめ (2013/11/4 福島民友新聞)

  定期検診のすすめ

 口の健康状態知っておこう

 あなたは自分の歯が何本あるかご存じですか? この質問をすると、意外と答えられる人は少ないようです。歯はそのほとんどが口の中に隠れているため、痛みがないとあまり気にかけないからかもしれません。
 永久歯列は親知らずを除いて28本あり、それぞれの歯は大切な役割を持っています。むし歯や歯周病などで歯が失われると、ブリッジや入れ歯によって、失った機能を回復する治療が必要になります。
 歯が20本以上ある場合は、それほど不自由なく食事をすることができますが、20本以下になるとなかなかそうはいかなくなってきます。治療で作った入れ歯も違和感が強くなり、満足に食事をすることが難しくなることもあります。
 以前から日本歯科医師会が8020運動を掲げているのもそのためです。80歳で20本歯を残そうという目標です。しかし、残念ながら現在、日本人の80歳の平均歯数は約10本です。他の先進国と比較すると、決して多い数とは言えません。それは「悪くなってから治そう」という考えがあることも理由の一つに挙げられます。
 予防が盛んな国々では日常のセルフケアのみならず、定期健診によるプロフェッショナルケアが一般的に行われています。自分の大切な歯を守っていくためには、まずは口の健康状態を知ることが大切です。
 定期的な健診を受けていない方は、ぜひ受診されることをお勧めします。
(県歯科医師会)

口腔ケア がん患者に効果 (2013/11/1 読売新聞)

 口内を清潔に保つ口腔(こうくう)ケアをがん患者らに行うことで、合併症を防いだり、入院日数が減ったりするなどの効果が見込まれるとの調査結果がまとまった。調査チームを率いた信州大付属病院は県歯科医師会と連携し、在宅療養のがん患者が自宅近くの歯科医院などで口腔ケアを継続して受けられるような態勢づくりに乗り出す。

 口腔ケアとは、虫歯を治したり、歯垢(しこう)を除去したりして口の中を清潔に保つこと。がん患者の場合、抗がん剤や放射線治療の副作用で口内が荒れやすい。口内を清潔に保たないと細菌が増え、細菌が血液に入る「菌血症」や肺炎などの合併症を引き起こしやすい。

 調査チームは、信大付属病院のほか相沢病院(松本市)、長野市民病院の歯科医らで構成。2011~12年度に、3病院に入院するがん患者を対象に行った。

 信大付属病院が食道がん患者に手術前から口腔ケアを実施したところ、しない場合と比べ、術後の絶食期間が18・8日から13日に、入院日数も32・8日から25日と約1週間短くなった。

 相沢病院の調査では、術後の合併症発症率が、実施しない場合に比べ32・2%から4・3%に低下。長野市民病院の調査では、口内の粘膜炎が原因で化学療法をやめなければならない患者の割合が減った。

 チームリーダーの信大医学部の栗田浩教授(50)は「がん治療と並行して口腔ケアを行うと、回復が早まり、合併症のリスクも減らせるという貴重なデータを得られた」と話す。

 県歯科医師会と信大付属病院は、同病院のほか県内七つの「がん診療連携拠点病院」でも口腔ケアの取り組みを広げていく方針。歯科医師会の笠原哲三歯科医師(56)は「県内全域で口腔ケアの大切さについて意識を高め、患者のQOL(生活の質)の向上が図れれば」と期待している。


【10月30日 AFP】赤ちゃんを布でくるんで腕の動きを固定し、足はまっすぐに伸ばして巻く「おくるみ」が今、再び流行っているが、おくるみは乳児の股関節に悪影響を及ぼすとの研究結果が英専門誌「小児期疾患アーカイブス(Archives of Disease in Childhood)」に掲載された。

 おくるみは乳児の安眠を促す方法だとみなされている一方、専門家らは、成長して中年を迎えたときに、変形性関節炎を起こしたり、人工股関節置換術を受けたりすることにつながると警告している。

 今回発表された研究で、小児整形外科医のニコラス・クラーク(Nicholas Clarke)氏は「伝統的なおくるみは、発育性股関節形成不全(DDH)を引き起こす要因となり得る」と述べている。「骨盤周辺の健全な発達を促すためには、足を股関節の位置で曲げ伸ばしできる余地を与えておかなければならない。そうすることで股関節の自然な発達が可能になる。乳児の両足をきちんと揃え、まっすぐに伸ばしたまま布をしっかり巻いてしまうようなことはすべきではない」という。

 またクラーク氏は「おくるみ用の布は市販のものであれば、足を折り曲げたり股関節を動かしたりする十分なスペースが確保できるものでなければならない」ともアドバイスしている。

 クラーク氏が引用した数字によると、最近の北米では幼児の約90%が生後数か月間「おくるみ」を施され、英国では2010年から2011年にかけての1年間で「おくるみ」用の布の需要が61%増となっている。

 古代ギリシャ・ローマ時代にまでさかのぼるとされるこの習慣は、全身に軽い負荷をかけて安心感と温もりを感じさせることで、乳児に子宮にいたときの感覚をよみがえらせているといわれている。

 欧米諸国では、おくるみの習慣は赤ちゃんに悪影響を与えるとして数十年前に廃れていたが、中東や一部の部族社会などではいまだに根強く残っている。

 クラーク氏によると日本の啓蒙活動では、おくるみを避けるよう指導した結果、股関節脱臼の発症数が半減したという。

 この論文について、英ロンドン(London)にある小児科医院、グレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital)の整形外科医アンドレアス・ロポシュ(Andreas Roposch)氏も、おくるみが幼児の股関節の正常な発達を妨げる証拠があることに同意し「成長中の、特に未発達の股関節に害をもたらす可能性があり、逆に良好な結果をもたらす要因は見当たらないため、おくるみはするべきではないというのが私の見解だ」とコメントしている。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College LondonUCL)の小児科医であるアラステア・サトクリフ(Alastair Sutcliffe)氏は、伝統的に女性が自分の腰の上に乳幼児の足を広げさせて子どもを運ぶナイジェリアのような国では、赤ちゃんの股関節脱臼はほとんどみられないという例を挙げ、「もしも子どもを寝かしつけるためにおくるみをする必要があれば、親は子どもの身になって特に腰回りをきつく締めつけないように注意し、緩く巻いてあげた方が良い」と話した。(c)AFP


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