不眠症の自己チェック、睡眠薬に関する7つの誤解 「春の睡眠の日」にちなみ専門家が講演(2015/3/19 あなたの健康百科)

精神・神経科学振興財団は3月15日、「春の睡眠の日」と「世界睡眠デー」(ともに3月18日)にちなんで東京都内で市民公開講座を開らき、専門家が不眠やより良い眠りについての講演を行った。その中で、同財団の大川匡子理事は、睡眠の仕組みから不眠症の治療までを解説。不眠症の自己チェックや、睡眠薬に関する7つの誤解なども紹介した。

日本人の睡眠時間、過去60年で2時間以上短縮

NHK放送文化研究所の調査によると、日本人の9割以上が睡眠中になる時間は1941年の午後10時50分から年々後退し、1970年に午前0時、2000年には午前1時になった。それに対し、起床時間はほとんど変わっていない。つまり、60年で日本人の睡眠時間は2時間以上短くなっているという。


大川理事は、睡眠の仕組みは(1)起きている間に睡眠物質がたまっていき、疲れた眠る「恒常性機能」、(2)暗くなると眠り、明るくなると動く「体内時計」、(3)非常時や不安など必要なときには目覚める「覚醒機構」―が正常に働いて成り立っていると説明。不眠症は、体調や環境、ストレス、薬の副作用などによってこの機能が崩れて起きる病気とし、以下の自己チェック(診断基準)を紹介した。

1 1時間以上寝付けない(入眠困難)
2 2回以上目が覚める(中途覚醒)
3 2時間以上早く目覚める(早朝覚醒)
4 よく眠れたという実感がない(熟眠障害)
5 翌日の社会生活に支障
※1~4の1つ以上が週3回ほどあり、それが1カ月以上続く+5で不眠症

睡眠薬治療の6つのコツも紹介

また大川理事は、睡眠薬治療の6つのコツや、睡眠薬に対する7つの誤解も紹介。睡眠薬を飲み続けてもよいのかという会場からの質問には、「薬は食べ物と違って、症状がなくなったら飲まなくてよいもの。ただ、いきなり服用をやめると反動が出る場合もあるので、徐々にやめていくのがよいでしょう」とし、主治医に"良くなってきたから薬を減らしたい"としっかり伝えてほしいとした。

◆睡眠薬治療の6つのコツ
1 作用時間の短いものを選ぶ
2 筋弛緩(しかん)作用の弱いものを選ぶ
3 代謝系の単純なものを選ぶ
4 通常の半量から始める
5 症状改善とともに漸減・中止
6 他剤との併用に注意

◆睡眠薬に対する7つの誤解
1 精神安定剤は安全だが睡眠薬は怖い薬
2 睡眠薬を飲んだら強い眠気が現れる
3 一度飲み出したら一生やめられない(依存性)
4 薬の量がどんどん増えていく(耐性)
5 物忘れがひどくなる、ぼける(認知症)
6 大量に飲むと死んでしまう(自殺)
7 睡眠薬よりアルコールの方が安全(寝酒のススメ)

不眠と心房細動の関係初めて知った参加者も

このほか、睡眠コンサルタントの友野なお氏が入浴法や寝具選びなど、より良い睡眠を実現する方法、愛知医科大医学部の塩見利明教授が睡眠時無呼吸症候群について解説。講演の合間には、声楽家の星美智子氏らが眠りに良いコンサートを行った。


埼玉県から来た80歳代の女性は「心房細動を患っているが、不眠の症状もあった。主治医に聞いても相手にされなかったが、今回の講演を聴いてこの2つが関係していることを初めて知った」と話していた。また、神奈川県から訪れた20歳代の女性は「同僚で睡眠に悩んでいる人がいて、会社で配布された資料以上に知識を深めるために参加した。この知識を同僚や上司と共有したい」と話した。

 

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