口の中が乾きやすい人ほど舌苔が増える。中高年に多い口臭もアセトアルデヒドの影響と考えられるという。子供から「口が臭い」と言われる人は要注意だ。
逆に言うと、口の中をきれいにして舌苔を除去していれば、がんの危険性を抑えられるということだ。江國氏は口が乾きやすい人はうがいなどで潤いを与え、食事のあと水を飲んで舌についた汚れを洗い流すことを推奨する。
「歯磨きのときに歯ブラシで舌を掃除するのは禁物。激しく磨くと舌が傷つき、がんができてしまう可能性があるのです。指のツメで舌苔を削ると、舌を傷つける上にツメに入っているバイ菌が侵入してしまいます。一番いいのは薬局などで売っている“舌ブラシ”を使い、一定方向に優しく舌を磨くこと。舌ブラシは数百円で買えます」
これまでの研究ではワインを飲んだ1時間後に歯に軟化効果が発見されただけであったが、今回示された研究によると、例えばワインテイスターでは歯の磨滅のリスクが高くなるという。
プロのテイスターは通常1日に150種、ワインの審査員はそれ以上のワインを試飲する。ワインテイスティングでは、口に含んで吐き出すまでの最大60秒間、ワインが口の中に保持される。
ワインテイスティング時の脱灰を評価するため、研究チームは抜歯した第三大臼歯を白ワインおよび人工唾液に曝露させ、その経過をシミュレートした。曝露から1分後と10分後のナノスクラッチ試験を行い、結果はスクラッチ痕の深さで示された。エナメル質表面の粗さも約200%増加していた。
調査結果から研究者らは、歯の浸食リスクを最小限にするためにカルシウム、リン酸塩、フッ化物などの再石灰化剤の利用を含めた早期の予防対策をワイン専門家は取るべきだとしており、ガムを噛んだりテイスティングの日の朝の歯磨きを省くことも、職業上のリスクを軽減することになる、と報告している。
研究結果をうけて同大学の農業・食糧・ワイン科准教授でワイン醸造も教えているSue Bastianは、「ワインテイスティングのあと、歯は非常に柔らかい状態になっているので、水ですすぐことをお勧めします。そして歯を磨くときには、指に歯磨き粉をつけて磨くのがいいでしょう。歯ブラシで磨くのはエナメル質を損傷するリスクがあります」と所見を述べた。
pH値3~4であるワインの酸性度は、その有機酸が高濃度であることから世界中の特に児童における歯の磨滅の主な原因とされているその他のソフトドリンクの酸性度に匹敵する。しかし現在のところ、ほとんどのワイン専門家組織では会員に対する何かしらの特別な予防措置を推奨してはいない。

