口臭にはさまざまな原因が考えられますが、なかでも蓄膿症の方の多くは口臭が気になると言います。それは、どうしてなのでしょうか?蓄膿症と口臭の関係について解説します。
蓄膿症(副鼻腔炎)の症状と原因
鼻の周りには大小いくつもの空洞があり、これらを医学的に「副鼻腔」と言います。風邪をひくと鼻づまりや黄色っぽい鼻水が出るように、細菌などが原因で副鼻腔に炎症が起きることによって膿や粘膜が溜まってしまう症状を副鼻腔炎と言います。
副鼻腔炎は、急性と慢性の2種類があります。急性副鼻腔炎は風邪などによって突発的に現れる症状で、ドロッとして黄色や緑色をした鼻水になったり、ときには痰のような塊となって喉に流れてくるケースもあります。
急性のものが3ヶ月以上も続く場合は、慢性副鼻腔炎となります。いわゆる蓄膿症と呼ばれる症状です。副鼻腔炎は鼻水の症状だけでも苦しいですが、頬や目の周りなどに痛みを感じたり、頭がぼーっとしたり、ときには頭痛や熱を生じる場合もあります。急性副鼻腔炎を放っておくと、蓄膿症が慢性化しやすいと言われています。
蓄膿症が原因の口臭
蓄膿症と口臭は一見関係ないように思えますが、実は蓄膿症が口臭の原因になっているケースというのが少なくありません。蓄膿症は鼻の奥に膿が溜まるため、その膿から臭いが発生している場合があるのです。このときの臭いは患部が近いため、周りの方よりご自身が感じやすいと言われます。
膿からの臭い以上に多いのが、口呼吸をすることにより起こる口臭です。蓄膿による鼻づまりによって口呼吸がメインになると、口がほぼ開いている状態になります。すると、口の中が慢性的に乾くため、口臭を招いてしまうというわけです。
口の中が乾燥した状態による口臭を防ぐには、こまめにお水を飲むなど、口内を潤してあげることが大切です。お水は口の中を潤すだけでなく、唾液の分泌を促す作用もあります。
ちなみに「今すぐ口臭を消したい!」というときは、冷たいお水や氷がオススメです。口の中を冷やすと、口臭の抑制に効果的と言われています。
蓄膿症の治療法
蓄膿症による口臭を根本的に治すには、蓄膿症を治療することが必要です。とはいえ、口臭の原因が必ずしも蓄膿症によるものとは限らないため、ドクターには蓄膿症のことだけでなく口臭が気になっていることもきちんと伝えましょう。
蓄膿症は、手術をしなくても抗菌薬と溜まった膿を洗い流すことで症状が改善すると言われています。ただし、レアなケースとして、細菌ではなくカビが炎症の原因になっている場合や、鼻の異常や歯の病気が関係している場合があります。この場合は、治療が難しいこともあるそうです。
まずは、「おかしい」と思ったら早めに受診しましょう。また、蓄膿症は途中で治療をやめると再発するリスクが高く、何度もくり返すと治りにくくなるため注意してください。
治療を始めると短期間で症状が良くなりますが、過信せずに完治するまでじっくり治療を行いましょう。