2012年10月アーカイブ

肺炎の原因は歯周病? (2012/10/12 19:10 福島民友新聞)

歯周病、いわゆる「歯槽膿漏(のうろう)」は20歳を過ぎれば大なり小なり、誰もがかかっている病気です。時には重症化したり、65歳を超えた、いわゆる高齢者になるとさまざまな問題を引き起こします。

 中でも肺炎は、その多くが歯周病の原因菌による感染症であることが分かっており、特に寝たきり状態の場合、高頻度で誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こします。最近ではさまざまな呼吸器疾患にも悪影響を与えていることが分かってきました。慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)なども歯周病との関連があるものの一つです。

 COPDは、いわゆる「たばこ病」とも呼ばれ、喫煙歴が長い40代以上に多く見られ、たばこなどの刺激により気管支が炎症を起こし、呼吸がしにくくなる病気です。
 一方、歯周病にとってもたばこは有害で、歯肉の抵抗力を弱め、炎症を起こしやすい状態とし、細菌が増えやすい環境を作り上げます。このように増えた細菌は、誤嚥性肺炎の原因菌となり悪循環を起こします。

 このようにCOPDも歯周病もいわゆる「たばこ病」に分類される病気ですが、禁煙を心掛け、歯周病の管理を怠らないようにすれば、そのリスクを下げることができます。その管理の多くを占めるのが口腔(こうくう)ケアです。お近くの歯科医院に相談し、早めに口の中の健康状態をチェックし、積極的な口腔ケアを心掛けましょう。(県歯科医師会)
笑えない話がある。中性脂肪、コレステロール、血圧などを毎年、定期健康診断でチェックしていたAさん(52)のことだ。これまで一度も引っかかったことがなく、今年も同じと思っていた。しかし心電図でエコーを取ったところ、心臓の冠状動脈に大きな梗塞が見つかった。
 診断結果を受けて、面談に当たった医師はこう言った。
 「下壁梗塞ですね。かなり進んでいます」
 それを聞いたAさんは仰天した。
 「そんな...。コレステロールも中性脂肪も正常値だった。血圧も130だから、心筋梗塞なんかになるはずがない。先生、いったいどうしてですか」
 ショックを受けたAさんは、原因についていろいろ頭をめぐらせてみた。だが、食べるものから、重大疾患につながるようなものは考えられなかった。
 ところがこのAさん、口腔内のケアがまったくできていなかった。虫歯が3本もあり、そのすべてが歯周病に侵されていた。そのため口臭も酷い。

 山梨大医学部名誉教授(心臓内科)の田村康二氏が言う。
 「虫歯や歯周病で繁殖した菌が口腔内の傷から血液中に入ると、それが心臓の冠状動脈まで達したとき、血管の内壁を傷つけて、心筋梗塞になることが最近の研究で明らかになってきました。虫歯だと侮ってはいけません」

 歯も体も健康だった人が歯周病菌によって心筋梗塞を発症し、亡くなったケースもあるという。健康だと思っていたのは歯だけで、歯の周りの歯茎や歯を支える歯槽骨は健康ではなかったのだ。
 ただし、その亡くなった人は、生前、周りの人から口臭を指摘されていた。死後に解剖した結果、何と心臓の血管の内壁から本来あるはずのない歯周病菌が発見され、歯周病が原因の心筋梗塞で死亡したことが判明したのだ。
 「歯周病に罹患したグループは、そうでないグループよりも心臓病のリスクが高いとか、歯周病で歯を支える歯槽骨の骨吸収のスコアが高いグループでは、そうでないグループよりも50%も心臓病に罹患するリスクが高くなっているという報告もあるほどです。いずれにせよ、歯周病原性細菌などによって引き起こされる炎症が、心臓の血管壁を損傷する一つの要因になっているのは間違いありません」(田村氏)
暑さが和らぎ、体を動かしたくなる季節になった。手軽に始められるウオーキングは有酸素運動でメタボ対策にも役立つが、やみくもにあるくだけでは体への負担が増す。専門家に聞くと、アプローチは様々で正しい歩き方に共通する解があるわけではない。いろいろ試してみて自分に合った歩き方を選びたい。

(1)背筋ピン、かかとで着地

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有酸素運動のウオーキングは脂肪の燃焼や心肺機能の向上に効く。しかし効果を高めるには、速度を意識してエネルギー消費を多くすることも必要だ。正しい姿勢で大股にすることを心がけると自然に速く歩けるようになる。

 埼玉県立大学の藤縄理教授を訪れると、いきなり厳しい口調で指摘された。「歩く前に立つ姿勢がよくない。街を歩く人のほどんどが猫背になっている」。猫背だと筋肉の負担が増し、腰痛や肩こりなどの原因にもなる。

 正しい姿勢は壁を背に立ち、かかととおしり、肩甲骨、後頭部を付ける。腰と壁の間の隙間に手のひらが入るのが目安だ。「おへその下にぐっと力を入れる」と藤縄教授は助言する。猫背だと肩の位置が前に来やすい。

 次に、この姿勢で幅10センチメートルほどの線に沿って歩く。つま先をしっかり上げ、足首がV字になるようにしてかかとから着地し、足の親指で地面を蹴る。太ももの内側からおしりへと、下から上へ筋肉を順番に使う。「普段いかに筋肉を使っていないかが分かる」と藤縄教授はいう。

(2)足を軸に腰を回して

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なぜか正しい姿勢は決まっているが、足の動かし方は研究者によって流儀が違う。次に訪ねたのは、歩き方教室を開催している東京大学の柏キャンパス。スポーツ科学が専門の小林寛道・東大名誉教授の理論によると「大腰筋」を使うのがポイントだという。大腰筋は骨盤を通って背骨と大腿骨を結ぶ太い筋肉で、老化に伴って減りやすく、70歳代では20代の半分になる。

 小林流の足の運び方は独特だ。例えば、左足を踏み出すとき、左側の腰も一緒に前に出すようにする。着地したら足全体に体重を載せ、左足を軸にして右側の腰を回転させながら右足を前に出す。着地した側で片足立ちをすると、体の軸という感覚をつかみやすいという。

 腰を回転させる分だけ歩幅も10センチメートルほど広がる。この歩き方をすると、通常のウオーキングでは鍛えるのが難しい上半身の筋肉を使うほか、体の深いところにある筋肉に働き掛ける。小林名誉教授は「歩きながら、他の動きもこなせる体になる」と話す。

(3)足の前部で着地、忍者歩き

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 「かかとで着地しないのが自然な歩き方」。全日本ウオーキング連合会会長を務める池田克紀・東京学芸大名誉教授は忍者のような不思議な歩き方をして現れた。「足の裏のつま先寄りの前部で着地するのがよい」という。マラソンや短距離走など陸上選手の中には足裏の前部で着地する人もいる。

 かかとから着地する歩き方ではひざが伸びきった状態になる。アスファルトのような硬い路面を歩くとき、着地の衝撃がひざや腰に伝わりやすい。一方、足裏の前部から着地する場合、曲げた膝や足首がクッションの役目を果たすという。最近ははだし感覚をうたった靴底が薄く、地下足袋のようなシューズも人気を集めている。

 今のシューズは靴底に衝撃を吸収しやすい素材を使っており、かかとで着地しても問題ない。しかし、池田名誉教授は「一度、はだしで小石のある道を歩いて筋肉の使い方がまるで違うことを体験し、日々の歩行にその感覚を取り入れてみては」と助言する。

■自分に合う歩き方探して

 いろいろな歩き方があるが、普段使っていない全身の筋肉を動かすという目的は同じ。国立健康・栄養研究所の宮地元彦・健康増進研究部長は「内股やすり足、猫背などはやめて、さっそうと歩くよう心がける」と助言する。ちなみに宮地部長の歩き方は足裏の前部で着地して頭が上下に大きく揺れる。「ゴムまりみたいといわれる」と話す。

 世界中の論文を読んできた経験から「誰にとっても健康維持に効果があるといえる歩き方はない」という。例えば足裏の前部で着地する歩き方は足腰への負担が少ない半面ふくらはぎが疲れやすく、初心者は長く歩くのがつらい。

 ただ歩くペースが速い人ほど長生きで、1日に15分間歩く時間が増えると死亡リスクが2~4%下がるという。「自分に合う歩き方を探し、少しでも速く長く歩こう」と宮地部長は訴える。

(鴻知佳子)


赤ちゃんの頃の歯のケア次第で、将来の口のなかの環境が決まると言われています。そう思うと歯のケアはとても大切。赤ちゃんの歯のケアはママの仕事です。いろんな歯のケア方法がありますが、ここでは基本のケアのみを紹介します。自治体で行われた赤ちゃんのための虫歯講習で得て、実践してうまくいった歯のケア方法を紹介します。

■STEP1:前歯しか生えていない時期のケア

  まだ前歯しか生えていない時期のはみがきはガーゼで行います。右手の人差し指をガーゼでくるみ、前歯の表裏を拭いてあげました。終わったら洗面台で口を『ぶくぶくしようね』と言って水で口をゆすぎました。まだまだ言葉がわからない時期は水を飲ませるだけでOK。

■STEP2:奥歯が生えてきた時期のケア

  奥歯も生えてきたらいよいよ歯ブラシの出番。力を入れすぎずにさっさっと軽く小刻みに歯ブラシを動かす容量で磨いてあげました。赤ちゃんが飽きることを考慮して、まずは歯の外側は後。内側を先に磨きます。

◎歯ブラシの選び方

  歯ブラシは市販のものでいいので年齢にあったものを選びます。行きつけの歯医者さんおすすめの歯ブラシ選びのポイントは以下の2点でした。

・毛が固すぎないものだと歯を傷つけない
・ヘッドが小さい方が奥歯もよく磨ける。毛の並ぶ列数は3列程度がベスト。

◎歯の裏側を磨く場合

  『あーしようね』と言うと、口を開けるのでその間に歯を磨きます。すぐに口を閉じてしまいますが、今期よく何度も同じようにして言うようにします。仮に嫌がって泣いたとしても口が開くので少し強引ですがその隙に磨いてしまいましょう。

◎歯の外側を磨く場合

  表側を磨く場合は、歯に沿って口に人差し指を入れ、隙間を作って歯磨きするときれいに磨くことができる。市の歯科衛生士さんの話通りにしてみたら上手に磨くことができました。歯の内側は赤ちゃんが口を開けていないと磨くことができません。ずっと口を開けていると飽きてしまうので歯の外側は後回し。内側から磨くようにするとママも楽に磨けます。

◎歯医者さんで定期的にフッ素を塗ってもらう

  フッ素は歯を強くし、虫歯の発生率を抑えることができます。1歳前後の頃、市の歯の講座でフッ素を塗ってもらいました。それをきっかけに歯医者さんで4か月に一度、フッ素を塗ってもらっています。健康な歯を守るために継続してフッ素を塗ることは虫歯予防に有効です。


■おわりに

  今だけでなく将来のためにも歯のケアはとても大切。筆者自身が歯がよくないのでしみじみ感じます。自分の子供に同じ思いはさせたくないので歯のケアをしっかり行ってきました。そのかいあってか9歳と7歳になった今でも虫歯はありません。ぜひ子供の歯の健康を守ってあげましょう。

(著&写真:nanapiユーザー・ゆき編集:nanapi編集部)(情報提供:ナナピ)

白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏が、歯垢と寿命の関係について解説する。

 * * *
 歯垢(しこう)とは、細菌が凝集して形成されたビオフィルム(菌膜)であり、歯の表面に沈着する。歯垢が沈着すると歯肉炎を引き起こし、最終的には歯の損失に至る。
 歯垢は、動脈硬化に関与することも知られている。動脈硬化病変に歯周病菌が検出される一方、歯垢の治療をすることで動脈硬化病変が改善するという報告もある。そんな中、歯垢に関する新たな研究結果が注目されている。
 スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ研究所歯学部門のビルジッタ・セーデル博士は、明白な歯周病が認められなかった30歳~40歳のストックホルム在住の健常な男女1390人を対象に、1980年代半ばから24年間にわたって歯垢の沈着や歯周病の程度と死亡率の関係を長期的に追跡調査した。
 2009年までに1390人中58人が亡くなったが、セーデル博士が生存者と死亡者の歯垢の沈着状況を調査したところ、死亡者には歯茎が歯垢で覆われている症例が多かったのに対して、生存者の歯垢は部分的な沈着である症例が多かった。この調査で歯垢沈着の程度と死亡率の間に明らかな関連性が見いだされたという。
 さらに、死亡した女性の平均年齢は61.0歳、男性の平均年齢は60.2歳で、スウェーデンの統計データによる標準余命と比較した結果、歯垢沈着を認める女性では13.1歳、男性では8.6歳も寿命が短縮している計算となった。
 死亡した58人中、がんに罹って亡くなった人は35人におよんだ。死因となったがんは、女性では乳がんが最も多かったが、男性では前立腺がんや悪性黒色腫、消化器がん、肺がんや脳腫瘍など様々ながんが報告された。
 これらのがんの発症に歯垢がどのように影響しているのかは、この調査研究では結論が出なかったが、セーデル博士は「感染症や炎症が全悪性腫瘍の1520%に関与することから、歯垢が口腔や全身の感染症や炎症を引き起こし、がんの発生率を上げている」可能性を指摘する。歯垢が脳の機能低下や動脈硬化、がん発症にも関与するとなると、やっぱり皆「歯がいのち」なのである。

※週刊ポスト20121012日号
「頼れる歯医者さん」発 最新情報【第1回】

「痛い」「怖い」というイメージを持たれがちな歯科治療。歯医者さんに行かなければと思いながら、この程度なら......と、ついつい先延ばしにしている、ということはないだろうか。しかし、見過ごしがちな小さな症状が、思わぬ大きな疾患のサインということもある。大切な永久歯を守るためにも、異常を感じたら、できるだけ早めに受診するよう心掛けたい。

歯科医院に行くきっかけとして最も多いのが、「歯が痛む」「しみる」という症状が出たときだろう。

 真っ先に疑われるのは虫歯。たとえ自分では虫歯が見当たらなくても、実は歯と歯の間や詰め物の下などが虫歯になっていることもある。虫歯は自然治癒することがなく、放置するとどんどん進行して、大切な歯を抜かなければならなくなることもあるので、できるだけ早く治療する必要がある。

 また、痛みの原因には、虫歯以外にも次のようなさまざまな疾患がある。

知覚過敏:歯の表面のエナメル質が傷ついたり削られたりして、象牙質が露出することで発症する。飲食物などの酸によってエナメル質が溶けたり、歯周病で歯茎の位置が下がることも原因の一つ。冷たい物を口にしたり、歯磨きでブラシが患部に当たると、キーンとしみるような鋭い痛みが起きる。

歯髄炎:一般に歯の"神経"といわれる部分が歯髄。虫歯の進行が主な原因だが、打撲・外傷などによる損傷、歯科治療の切削による刺激、強い歯ぎしりなど、さまざまな原因で起きる。進行した歯周病により歯槽骨の吸収が起きた部分の歯茎から、細菌が侵入して発症することもある。歯髄は根管内にあるため、治療が遅れると膿がたまり、激しい痛みとともに歯茎・頬の腫れを起こす。放置すると顎の骨にまで炎症が及び、治療が困難になったり長期に及ぶ治療を要することもある。

 他にも歯周病やかみ合わせのずれ、かみしめや歯ぎしり癖などでも歯痛は起きる。ひどい場合は歯が割れたりひびが入ってしまうこともある。

 さらに、歯そのものには全く異常がないのに、精神的なストレスや、頭痛・肩こりなどから歯痛が起きる場合もある。ときには内臓疾患などによって歯が痛くなることも。このような痛みを関連痛(または連関痛)といい、歯の痛みをきっかけに、思わぬ内科的疾患が見つかることもある。まずは受診してみることだ。

口臭がある

 他人の口臭はもちろん、自分自身の口臭も、とても気になるもの。「お口で気になることは」という問いに、虫歯や歯周病を抑えて「口臭」が第1位であったというアンケート調査結果もあるほどだ。

 慢性鼻炎や喉の炎症など、呼吸器系の疾患が原因となったり、消化器系の病気をはじめとする全身的疾患や、女性のホルモン周期や、臭いの強い食事なども口臭を引き起こすが、口臭の80%以上は、口の中に原因がある。ほとんどが、口内細菌が唾液や血液、上皮の細胞、食べカスなどの含硫アミノ酸を分解・腐敗させることによって起きる臭いだ。

 寝起きや空腹時、また緊張やストレスを感じているときなどは、唾液の分泌量が減って口が渇き、口内細菌が繁殖しやすくなるので口臭が強くなる。舌の表面に付いている白い舌苔も細菌が繁殖しやすく、舌苔が増えると口臭の原因になる。

 口の中の細菌を繁殖させないためには、こまめな歯磨きや水分補給など普段のお手入れはもちろん、セルフケアで防ぎきれないプラーク(歯垢)や歯石など細菌の温床となる汚れは、定期的にプロのクリーニングを受けて除去しよう。細菌感染症である歯周病や虫歯・歯髄炎などの歯科疾患が原因の口臭もある。早期治療が有効だ。

 なお、体調が悪いときや睡眠不足のときなどは免疫力が低下し、口の中の細菌が増えて口臭がきつくなる。生活習慣の見直しや風邪予防を心掛けることは、口臭予防の面からも大切なことである。

かみづらい

 食事の際にかみにくいと感じたり、片方でしかかめない、また口を開けにくかったり、開けると顎が痛む、顎で音がするなどの症状が出たら、かみ合わせの問題や、顎関節症を疑う。

 自分は歯並びがよいからかみ合わせもよいと思うのは間違いで、かみ合わせのずれは、歯や歯茎の状態・上下の歯の当たり方などいろいろな原因で起きる。歯並びがよくてもかみ合わせがよいとは限らないのだ。

 食べ物を十分かめないと胃腸に負担がかかるうえ、かみ合わせや顎関節症は頭痛、肩こり、腰痛のほか、さまざまな不定愁訴を引き起こすこともある。

歯磨き時に
歯茎から出血する

 これは歯周病の典型的な症状。歯周病は「サイレント・ディジーズ(静かに進行する病気)」とも呼ばれるほど、重症化するまで目立った症状が出ないものだが、注意していれば初期や中期にもそれとわかるサインがある。

 これらのサインを見逃すと、歯周病はどんどん進行して、痛みとともに歯茎などから膿が出る、歯がグラグラする、といった大きな症状が出る。この段階は歯周組織の奥深くまで炎症が進んで、歯槽骨や歯根膜などが溶かされている状態だ。

口腔内のトラブルは、全身の健康にさまざまな影響を及ぼすことがわかっており、歯周病も進行すると、血中に侵入した菌が全身に運ばれ、動脈硬化や心血管障害、糖尿病発症の原因の一つになるといわれている。

歯の破折に要注意 (2012/10/02 17:56 福島民友新聞)

神経抜いた歯 生じやすい

 高齢化社会が進行している現在、歯をできるだけ長持ちさせ、できるだけ自分の歯で食事することが大事であるといわれていますが、実際に歯を喪失する原因は大きく分けて三つあります。
 一つ目はむし歯です。むし歯が進行して歯肉の下深くまで達してしまうと、保存することが不可能になってしまいます。
 二つ目は歯周病です。歯周病とは歯を支える歯茎や骨が破壊されてしまう病気で、歯周病が進行すると抜歯を余儀なくされてしまいます。
 三つ目は歯の破折です。主にかみ合わせの力によって歯が割れてしまうもので、一度割れると隙間に汚れが残ってしまい感染源になるとともに、歯の動揺を繰り返すことで隙間が少しずつ大きくなっていき、最終的には、いわゆる割れた状態になってしまいます。
 歯の破折は主に神経を抜いた無髄歯と呼ばれる歯に生じやすいため、極力歯の神経を保存することが大事です。運悪く無髄歯になった歯は、破折を防ぐためにかみ合わせの面全体を金属の冠でかぶせて保存したり、咬合(こうごう)力が集中しないように調整を定期的に行って破折を予防することが重要になります。また、神経のある歯においては、外傷や歯ぎしりなどで歯が破折してしまうこともあります。