顔の左右どちらかに激痛、生活に支障来す「三叉神経痛」(2013/5/22 健康百科)

顔の左右どちらかに激痛、生活に支障来す「三叉神経痛」

飲食も困難に

顔の左右どちらかに痛みが生じる「三叉(さんさ)神経痛」。

年間10万人当たり4~5人の割合で見られ、季節の変わり目に症状が出る傾向がある。

痛みが強烈なため生活に支障が出て、高齢者では飲食が困難になることもあるという。

東京医科大学病院麻酔科の大瀬戸清茂教授に聞いた。

 三叉神経は、痛みなどを感じ取って脳に伝える知覚神経の一つ。

脳幹部から左右に1本ずつ出ていて、それぞれ額、頬、顎の3方向に枝分かれしている。

 大瀬戸教授は「三叉神経痛は加齢に伴って増える病気で、女性に多いことが特徴。

原因は、脳幹部から3方向に分かれる手前の部分が、周囲の血管に圧迫されて痛みが

起こると考えられています」と説明する。

 多くは顔の左右どちらかに起こり、風に当たる程度の刺激でも痛む。

発作は個人差があるが、1回に5~20秒、長くても2分以内に治まる。

 「痛みは激烈で『虫歯をたたかれたよう』と言う人もいます。

それがよく起これば当然、日常生活に支障を来します」(大瀬戸教授)

 また、高齢者では飲食ができないで体重が減ったり、脱水になったりする人もいる。

「顔に激しい痛みが起こるようなら、この病気を疑って痛みの治療を行う

ペインクリニック、あるいは脳神経外科、神経内科のいずれかを受診してください」

(大瀬戸教授)

 診断は、特徴的な症状でほぼつくが、脳腫瘍など他の病気でないことを確認する

ために磁気共鳴画像装置(MRI)による検査が行われる。

 治療法は薬物療法、神経ブロック、手術、定位放射線治療(ガンマナイフ)の4通り

ある。一般的なのは薬物療法と神経ブロックだ。

「薬物療法は、発作痛を抑えるカルバマゼピンという薬が広く用いられています。

ただし、この薬は眠気や転倒などの副作用があるので、服用中は注意が必要です」

(大瀬戸教授)

 神経ブロックは、かつては神経あるいは神経節に麻酔薬を注入して痛みを感じない

ようにしていたが、最近は高周波熱凝固法が普及している。

「これは痛みのある神経に金属針を刺して高周波を流し、その熱で神経を破壊して

痛みの伝達を遮る治療法です」と説明する大瀬戸教授。

いずれの治療法も一長一短があるので、医師とよく相談することを勧めている。


2012年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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このページは、Uクリニック竹内歯科が2013年5月24日 15:41に書いたニュースです。

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