片側の顔面がピクピク「顔面痙攣」 中高年の女性に多い (2013/9/6あなたの健康百科)

 片側の目と口の周りが同時にピクピクと痙攣(けいれん)する、そんな症状で疑われるのが「顔面痙攣」だ。日本大学医学部(東京都)神経内科の大石 実教授は「脳腫瘍などの重要な病気が潜んでいることもあります。症状が悪化している場合には、神経内科を受診した方がよいでしょう」と注意を促す。

CTやMRIによる検査は必須

 顔面痙攣は、何らかの原因によって顔の神経が刺激に対して過敏になり、顔の筋肉が自分の意思とは別に動いてしまう病気。顔の神経は脳の奥にある脳幹から左右に1本ずつ伸びており、目や鼻、口の辺りに達し、まばたき、口の開閉などに重要な表情筋を動かしている。血管に異常が起き、それが脳幹に近いところの顔面神経を圧迫しているために起こることが多いという。

 わが国の患者数は約10万人と推定され、中年以降の女性に多く、子供ではほとんど見られない。「下まぶたの痙攣から始まり、数カ月~数年で頬、口など片側の顔面に広がります。自然に治ることはまれで、発作の頻度は徐々に増えることが多いのです」(大石教授)

 診断では、顔をしかめる、目を強くつぶる、暗算によるストレスなどで症状の出やすさを検査する。また、コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像(MRI)による頭部の検査も行われる。大石教授は「脳腫瘍や脳動脈瘤が潜んでいることもあるため、CTやMRIによる検査を一度は受ける必要があります」と説明する。

治療法の選択は慎重に

 治療は、「ボトックス」として有名なボツリヌス毒素療法、手術(神経血管減圧術)、飲み薬による薬物療法が中心となる。ボツリヌス毒素療法は、食中毒の原因菌であるボツリヌス菌の毒素を精製した薬を顔の筋肉に注射する。

 「ボツリヌス毒素療法によって症状はかなり抑えられますが、効果が持続する期間は3~4カ月と限られており、注射を繰り返す必要があります。神経血管減圧術の有効率は80~90%と高いですが、難聴などの危険も伴います。内服薬による薬物療法の効果は十分とは言えず、副作用の問題もあります。医師とよく相談し、慎重に治療法を選択することが重要です」(大石教授)

 緊張や疲労で症状が誘発されるため、「寒冷、睡眠不足、ストレスを避け、喫煙や飲酒を控えるなどが日常生活における注意点です」と、同教授はアドバイスする。


このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2013年9月 7日 17:27に書いたニュースです。

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