すっきり早起き 正しい睡眠リズム大切

春眠暁を覚えず-とはいえ、新年度がスタートして、早起きしなければならない人も多いのでは? 正しい睡眠リズムは、快適な目覚めをもたらし、体調にも影響する。リズムを保つこつなどを専門家に聞いた。 (竹上順子)
 「この時季に多いのが、朝起きられないという新社会人や学生の相談。夜型の生活が長かった人ほど、睡眠リズムを正常に戻すのに時間がかかる」。睡眠医療認定医で、むさしクリニック(東京都小平市)院長の梶村尚史さん(精神医学・睡眠医学)はこう話す。
 人間の体の働きは体内時計にコントロールされ、各時間帯の活動に合わせて、ホルモン分泌などが行われる。だが人間の「概日(がいじつ)リズム」は約二十五時間。毎朝日光を浴び、食事を取らないと、体内時計はリセットされず、生活リズムは後ろにずれていってしまう。
 学生時代や長期休暇では就寝や起床、食事の時間は不規則になりがち。新生活が始まってから変えようとしても、眠気などに関わる身体内部の「深部体温」の上昇や下降、ホルモン分泌などのリズムはすぐには同調せず、睡眠を含めた生活リズムが整うまでには、時間がかかるという。
 明け方近くに寝て、昼前後に起きる「睡眠相(そう)後退症候群」になった場合は治療が必要だ。「光治療器の使用や(睡眠ホルモンの)メラトニン投与を行うが、正常に戻すには数カ月かかる」と梶村さん。「予防には、平日も休日も一定の時間に起きるように」と強調する。
     
 「良い睡眠と目覚めには、リズムが大切」と、睡眠環境の研究などを行う「エスアンドエーアソシエーツ」(同中央区)常務で、睡眠改善シニアインストラクターの安達直美さんは話す。休日に長く寝たい場合は「就寝を一時間早く、起床を一時間遅くするなどして"中心"はずらさないで」と助言する。
 「眠気」の出現にもリズムがある。日光を浴びると、メラトニン分泌が抑制されて眠気が取れ、約十四時間後に再び始まる。その一~二時間後に眠気が起きるため「起床後三時間以内に、四十分ほど光を浴びるといい」と安達さんは話す。
 浴びる光は電灯では不十分なため、窓際や屋外がいい。反対に、寝る直前までテレビやパソコンなどの電子機器を使っていると、メラトニンの分泌が抑制され、良い眠りを得られなくなる。
 また「睡眠欲求がたまるまで約七時間かかるので、夕方の仮眠はやめた方がいい」と安達さん。昼寝は午後三時までに、十五分程度にするよう勧める。ほかにも睡眠の質を高めることで、気持ちの良い目覚めにつなげられる=イラスト。
 睡眠中は、脳が活動するレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠が交互に現れる。スッキリ目覚めるには「ノンレム睡眠からレム睡眠に移っていく段階で起きるといい」と安達さん。体の動きから睡眠の状態を感知し、最適なタイミングでアラームを鳴らす腕時計や、スマートフォンのアプリケーションなどもあり、「上手に活用を」と話す。
     
 意外に気づいていないのが睡眠不足。
 梶村さんは「平日と休日の睡眠時間の差が三時間以上ある人は、睡眠時間が足りていない」と指摘する。休日の「寝だめ」は避け、平日の睡眠時間を十五分ほど増やすことと、ネットなどの趣味は朝にするよう勧める。
 安達さんは「レム睡眠はストレスを解消してくれるが、後半に多く現れる。睡眠不足になるとレム睡眠が削られるので注意を」と話している。

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このページは、Uクリニック竹内歯科が2012年4月11日 20:02に書いたニュースです。

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