審美歯科医師が教える口臭を防ぐ4ポイント

■悩ましき口臭問題を解決!

自分ではなかなか気がつきにくい上に、他人にはとっても指摘しにくいのが「口臭問題」。特に女性の場合、「あなたの口のにおいがくさいです」なんて相手にストレートに言うのは難しいはず。

でも、やっぱりくさい息は気になってしまい、顔をそむけたくなってしまいます。逆に、自分の口臭がどう思われているか気になり、過剰にマウスウォッシュを使用したり、歯磨きをしたりする人も見受けられます。

多くの人が口臭を気にしている証拠に、最近のガムのコマーシャルでは、いかに息のにおいを抑え、口の中に爽やかな香りを長く持続させるかをアピールするものが多いように感じます。

ここでは、口臭が起こる原因や解決方法について、審美歯科ドクターの立場からアドバイスをさせてもらいます。「歯」と「息」って関係あるの?と首をかしげる人もいるでしょうが、「歯」と「息」はとても密接な関係にあるのです。健康できれいな歯を手に入れて、口臭まで防げれば怖いものナシですね。

■1:口臭の原因はずさんな歯磨き!?

口臭の80~90%は、口の中の病気が原因です。例えば歯周病ですと、歯周ポケットにたまった細菌が繁殖して悪臭を生み出します。大きな虫歯がある人も要注意!神経が侵されるまで長期間放っておくと、歯の部分から強い悪臭がでてきます。

では、歯周病や虫歯がない人は安心なのかというと、そんなことはありません。毎日の飲食の中で、歯についてしまうプラーク(歯垢)も口臭の原因となります。自分では上手に歯を磨けているつもりでも、磨き残しがある場合がほとんどだと思ってくださいね。

歯ブラシでは落ちないプラークが、奥歯の間やキワにたくさんこびりついています。そういった細かな部分には、歯間ブラシやデンタルフロスを使って丁寧に汚れを落としてください。

歯磨きで落としきれないプラークは、固くかたまって歯石になります。歯石は自分の歯磨きでは落とせず、歯科医院にて歯科医師や歯科衛生士にとってもらわなければなりません。放っておくと歯周病になり、口臭の原因になります。毎日の汚れをこまめに落とすことが、口臭を防ぐポイントです。

■2:マウスウォッシュの使い過ぎは要注意!

口臭を気にして、マウスウォッシュを過剰に使用する患者さんがいます。たしかに、最近はマウスウォッシュの小さいボトルなども発売されていますし、好きなときに使用することができます。外出先で歯を磨くことができないときの代用や、少し口臭が気になったときに使用すると、爽快感があり便利ですね。

しかし、私はあまりおすすめしません。なぜなら、多くのマウスウォッシュには、殺菌力をアップさせる大量のアルコールが入っているからです。アルコールとは殺菌力をもっているので、虫歯菌や歯周病菌まで殺菌する力を持っています。しかし、その強い殺菌力が口の中と歯の表面を乾燥させてしまうのです。

乾燥するということは、口の中の唾液が減り、口臭の元となってしまいます。マウスウォッシュの使い過ぎには、くれぐれもお気をつけくださいね。

どうしても臭いが強いものを食べて、口臭が気になったら、刺激のないうがい薬などでくちゅくちゅするのが良いでしょう。うがい薬は、口や歯は乾燥させませんが、口内の殺菌はきっちりとしてくれますからね。ドライフルーツやナッツなど噛みごたえがあるものを食べて、口の中に唾液を多く出すことも良いです。唾液が細菌などを流してくれますよ。

■3:タバコと舌苔

口臭対策の大敵がタバコということは、みなさんご存じですよね。タバコのニコチンが歯にこびりつき、不快な臭いを発します。焦げくさいような、鼻につくにおいですね。タバコを吸わない皆さんも一度は嗅いだことがあるはず。喫煙が習慣になっている人は、いくらこまめに歯磨きをしても、歯と歯の間にこびりついたニコチンを取り除くことはできないのです。タバコで汚れた歯は、見た目も美しくないですしね。

また、タバコの臭いと合わさって、強烈な悪臭を生むのが舌苔です。舌苔とは舌の表面に付く白っぽい苔みたいなものです。舌苔はうがいで落とすことができないので、歯科医院や薬局で売っている舌ブラシを使って舌を磨いてください。そのときに、くれぐれも力を入れすぎないでくださいね。舌が傷つくと、今まで以上に舌苔が付きやすくなってしまうこともあります。喫煙される方で口臭が気になる方は、禁煙と舌ブラシで対策をとられてみてはいかがでしょうか?

■4:早寝早起きは無臭の元!

口の中には絶えず唾液が分泌されていて、口臭の元となるバイ菌を流してくれます。私は唾液のことを「デンタルリンス」と呼んでいます。そのデンタルリンスを出にくくさせてしまうのが、不規則な生活です。

例えば睡眠不足になると、自律神経の機能が低下してデンタルリンスの分泌が減少します。他にも、ストレスや無理なダイエット、暴飲暴食などによって、デンタルリンスの分泌が減ってしまい、口臭につながってしまうのです。また、開いた口をそのままにする「お口ポカーン」もNGです。

口が開いていることによって口呼吸になりやすくなり、口の中が乾きやすくなってしまうのですね。歯磨きもタバコも舌苔も問題ないのに......と悩まれる方、生活を見直してみることもおすすめですよ。

これらを気にかけて、口臭のない自信を持てるお口を手に入れましょう。

 (2012年8月12日(日)10時1分配信 @Nifty News)

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2012年9月11日 13:24に書いたニュースです。

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