骨粗しょう症治療薬で顎骨に異変、激痛や歯茎の腫れなど (2012年11月8日 17時30分 メディカルトリビューン)

 閉経後の女性を中心に骨粗しょう症が増えているが、その治療に用いられるビスホスホネート系薬剤(BP製剤)によって顎骨壊死(えし)が起こることがある。BP製剤を服用している人は、定期的に歯科医に診てもらうようにしたい。昭和大学歯学部(東京都)口腔(こうくう)外科の新谷悟教授に聞いた。

◆骨再生の調和崩す

 BP製剤は、骨粗しょう症の治療に用いられるエチドロン酸2ナトリウムやアレンドロン酸ナトリウム水和物などの総称で、骨を壊す破骨細胞の活動を抑える働きがある。その半面、骨の再生のバランスを崩す働きもある。

 新谷教授は「骨は常に再生を繰り返していますが、そのバランスが崩れるといろいろな弊害が生じてきます。中でも歯は外界と骨をつないでいるため、抜歯や歯周病などをきっかけに顎骨壊死を起こしやすいのです」と説明する。

 初期症状は顎の骨の激しい痛みや歯茎の腫れ、骨の露出、骨壊死など。ひどくなると顎の骨が変形したり、なくなったりするという。

◆歯周病予防を

 そのため、BP製剤を服用している人は、こうした副反応があることを念頭に置いて予防を心掛けたい。

 「定期的に歯科医で歯垢(しこう)を除去してもらうとともに、日常生活ではブラッシングを徹底して歯周病を予防する。また、服薬時にBP製剤が歯茎などに残ると潰瘍を起こしかねないので、十分な水で服薬するとよいでしょう」(新谷教授)

 予防を心掛けていても、顎の骨の痛みや露出があった場合は、迷わず口腔外科を受診すべき。以前は経過観察をすることが多かったが、最近は後手に回らないために積極的に治療する。治療の基本は壊死した骨を削って粘膜を縫う手術。早期に治療すれば顎の変形は防げるという。

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このページは、Uクリニック竹内歯科が2012年11月13日 12:01に書いたニュースです。

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