もちを詰まらせないために―のみ込む機能向上させる運動を (2012年12月28日 17時30分 メディカルトリビューン)

入れ歯の調整も忘れずに

 年末年始はもちを気管につかえさせて窒息するお年寄りがいる。食べ物をかむそしゃく機能やのみ込む嚥下(えんげ)の働きが低下しているためで、こうした衰えを自覚していない人ほど起こしやすい。自分は大丈夫などと思わないで、予防を心掛けてほしい。

子供も注意

 国立国際医療研究センター病院(東京都)リハビリテーション科の藤谷順子医長は、食べ物を喉に詰まらせる三大要因として(1)本人、(2)食物、(3)環境―を挙げる。

 「本人要因は加齢による嚥下機能の低下した高齢者と、その機能が発達していない幼い子供です。食物要因ではもち、すし、おにぎりなど、あまりよくかまなくても食べられる物によるケースが多いのです。最後の環境要因は急いで食べたり、遊びながら食べたりといった行為が影響します」

 嚥下機能の低下は加齢とともに起こり、問題はそれを自覚していないケースだという。

 「自覚しないでもちやすしを一気に食べて、気管に詰まらせるケースが見られます。最悪の事態を避けるには、自分では大丈夫と思っていても、加齢とともに嚥下機能は衰えていることを念頭に置いて予防を心掛けることです」(藤谷医長)

小さくしてゆっくり

 それには次の点に気を付けるとよい。

  1. 入れ歯の人は、よくかめるように調整してもらう
  2. あおむけに寝た状態で、頭を持ち上げる運動を朝夕、自分のできる回数から行う。この運動は食べ物をのみ込むときに、食道を広げるようにする効果がある
  3. あおむけに寝た状態で、口の中で舌を回す運動を行う
  4. 歯磨きは丁寧にし、口のゆすぎは7回以上強く行う

 こうしたケアとともに、もちやすしなど塊になっている食べ物は小さく分けて少量ずつ食べる。そして、決して食べ急がないようにすることだ。

 藤谷医長は「それでも気管に食べ物が詰まったときには、家族や周りの人はすぐに救急車を呼んでください。その際状況を明確に伝えて、救急車が到着するまでの指示を受けるように」とアドバイスしている。

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2013年1月 7日 18:52に書いたニュースです。

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