6月4日から10日までは「歯と口の健康週間」。期間中、歯や口の健康についてのさまざまな催しが各地で開かれました。このうち、東京の歯科医師会館では全国の小学校とインターネットで結んだ歯みがき教室が開かれ、小学生たちが最近子どもにも増えている「歯周病」を予防するための歯みがきの仕方を学びました。
この催しは日本学校歯科医会などが開いたもので、東京の会場と全国のおよそ900の小学校をインターネットで結んで5万4000人余りの小学生が参加しました。
厚生労働省の調査によりますと、5歳から14歳までで虫歯がある割合は平成11年はおよそ45%でしたが、おととしは(平成23年)およそ21%と半分以下に減りました。
その一方で、5歳から14歳までで歯周病など歯ぐきに異常がある割合は平成11年のおよそ37%からおととしはおよそ41%に増えています。
このため、歯みがき教室でも歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先をあて、小刻みに磨くよう歯科衛生士が指導し、小学生たちが一斉に実践しました。
小学5年生の男の子は「腫れていないかどうかなど歯ぐきのサインを見逃さずに、きょう学んだ方法を毎日の歯みがきに役立てたいです」と話していました。
歯周病は、細菌によって歯ぐきに炎症が起きる病気で、重症化すると骨まで傷ついて最後には歯が抜けてしまいます。さらに、歯周病は口の中だけにとどまらず、糖尿病など全身の病気とも関わっていることが最近の研究で分かってきました。
子どものうちから毎日の丁寧な歯みがきを心がけ、予防に努めることが大切ですが、小学生の頃は乳歯と永久歯が入り交じって歯並びがいびつになっているため、隅々までケアが行き届きにくくなっています。専門家は「小さいうちは親が歯みがきの仕上げをすることが多いが、小学生ぐらいになるとそこまでしなくなる。親が継続的に子どもの歯をケアしていくことも必要だ」と指摘しています。
最後に歯周病を防ぐ歯みがきのポイントをまとめておきます。
●歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当てる。
●1~2本の歯を目安に歯ブラシを小さく動かす。
●軽い力で磨く。
皆さんで適切な歯みがきを心がけましょう。