(どうしました)唾液が泊まらない 阪井丘芳さん(2013/7/2 朝日新聞)

大阪大歯学部付属病院顎口腔機能治療部長・阪井丘芳さん

 58歳女性。今年3月に歯茎の痛みで奥歯を抜いてから、唾液(だえき)が止まらなくなりました。昼間仕事をしており、どうしても気になってしまいます。歯科医にみてもらっても、原因はわからないと言われました。何か良い対策はありませんか。(岡山県・O)

 ■答える人 阪井丘芳(さかいたかよし)さん 大阪大歯学部付属病院顎口腔機能治療部長=大阪府吹田市

 Q 唾液が出る仕組みは。

 A 口の中にある耳下腺や舌下腺などの唾液腺から分泌します。何か物が口に入っている物理的刺激や、食べ物や飲み物で味を感じる味覚刺激がきっかけとなり、通常、1日の唾液量は1~1・5リットル程度です。

 Q 相談者は唾液の多さが気になるようです。

 A 実は、「唾液が多い」と訴える患者の多くは、唾液の量を調べてみると、通常の範囲に収まっているケースがほとんどなのです。

 Q なぜ多いと感じるのでしょうか。

 A 年を取ったり、薬を飲んでいたりすると、飲み込む動作がうまくできなくなる場合があります。そうなると、唾液が口の中にとどまるので、多く出ていると感じてしまいます。

 Q 抜歯の影響は。

 A 入れ歯のような異物が刺激となって、唾液が出ることも考えられますが、1・5リットルを上回るほどではありません。むしろ、口の中の変化を気にしすぎて、舌をまめに動かしてしまうと、唾液が泡になります。泡はのみ込みにくく、さらに口の中に長くとどまってしまいます。

 Q 改善法は。

 A まずは、歯科・口腔外科のある医療機関で唾液量が通常の範囲かどうか確かめてください。「つばは汚いから吐き出すもの」という心理的なハードルを感じる人もいます。唾液をのみ込んでも害はありません。唾液には保湿成分などが含まれ、のみ込むことで胃酸が中和されたり、傷を治すのに有効だったりします。唾液はからだに大切なものと考え、のみ込む習慣をつけていけば、徐々に気にならなくなります。

 

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2013年7月 5日 15:18に書いたニュースです。

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