徒歩通勤の人は心血管病になりにくい―英研究
高血圧や糖尿病など危険因子持つ割合低い
自動車の使用抑えると健康に好影響
Laverty氏らは今回、英国の2万458人(16歳以上)のデータを使い、通勤形態と高血圧や糖尿病、肥満など心血管病の危険因子との関連を検討した。通勤形態は自動車通勤(タクシー通勤含む)をしている人が69%と最も多く、公共交通機関による通勤(16%)、徒歩通勤(12%)、自転車通勤(3%)がそれに続いた。
解析の結果、自動車通勤と比べ、自転車通勤、徒歩通勤、公共交通機関による通勤はいずれも、肥満になるリスクの低下と関連していることが分かった。肥満の割合は、自動車通勤者の19%に対し、徒歩通勤者で15%、自転車通勤者で13%だったという。
また、徒歩通勤者や自転車通勤者では、自動車通勤者と比べて糖尿病になるリスクが低く、徒歩通勤者では高血圧になるリスクも下がっていた。
なお、通勤手段には地域差が見られ、公共交通機関の利用は北アイルランドの5%に対してロンドンでは52%だった。
以上の結果から、Laverty氏は「自動車通勤を減らすことにより、心筋梗塞などを発症するリスクを減らすことができる」とコメント。さらに「徒歩通勤、自転車通勤、公共交通機関を利用した通勤で日常生活に運動を取り入れることは、個人の健康に役立つ」と結論している。