《口内炎》 「白色」は深刻な病が潜む恐れも
朝日新聞 (本紙記事より)
【藤島真人】 春めいてきました。からだの力がふっと緩みます。そんなときに要注意なのが口内炎。季節の変わり目に起こりやすいと言われています。たいていは自然に治りますが、大きな病が潜んでいることもあるようです。
「口内炎は体のバランスが崩れると起こりやすい。この時期は受験や年度末で、学生、社会人ともにストレス、疲労がたまりがちです」と、東北大病院の菅原由美子助教(口腔〈こうくう〉診断科)は言う。
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口内炎は文字通り、口の中にできる炎症性の病気の総称だ。代表的なのは、直径5ミリ以内の丸いぽつんとした潰瘍(かいよう)が一つ二つ出るタイプで、「アフタ」と呼ばれる。原因は不明だが、体力の低下や栄養不足、口の中の不衛生などが影響していると言われている。
治療は、ステロイド軟膏(なんこう)やのみ薬で炎症を抑えるほか、ビタミン剤で栄養を補給したり、刺激があまり強くないうがい薬で雑菌を取り除いたりする。
帯状疱疹(ほうしん)や単純ヘルペスといったウイルス性の病気も、この時期に多い。直径1~2ミリの小さな凹状のできものが多数できる。免疫力が落ちていることを示す信号だ。皮膚に出ることもあり、抗ウイルス剤での治療が必要になる。
口内炎が2週間以上たっても治らないようなら要注意。口腔外科など、専門医の受診を検討した方がいい。
菅原さんによると、特に注意したいのは、白い口内炎だ。赤い場合も、ただれや潰瘍など、きちんとした治療が必要な場合もあるが、「白色は深刻な病気が潜んでいることがあります」。