睡眠時無呼吸患者では肺炎の発症リスクが高い可能性があることが、台湾、台北永民総医院のVincent Yi-Fong Su氏とKun-Ta Chou氏の研究でわかった。睡眠時無呼吸が重度であるほどリスクが高いことを示唆する研究論文は、「CMAJ」3月3日号に掲載された。
睡眠時無呼吸では、睡眠中に上気道が塞がれ、酸素が遮断される。これによって誤嚥が起こって、肺炎リスクが高まるという。Su氏らの11年にわたる観察で、被験者3万4,100人のうち6,816人に睡眠時無呼吸が認められ、約2万7,284人には認められなかった。
研究の結果、睡眠時無呼吸患者群では9%超に肺炎が発症し、非患者群では8%未満だった。睡眠時無呼吸に対し、持続的気道陽圧法(CPAP)による治療を受けている被験者のほうがリスクは高かった。ただし、肺炎を発症した被験者のほうが高齢で、心疾患や糖尿病、認知症など他の健康障害もみられた。
Su氏らは、「睡眠時無呼吸は偶発的な肺炎の独立した危険因子であることを示している。また、重度の睡眠時無呼吸患者では軽度の患者よりも肺炎リスクが高いという曝露反応関係も示している」と述べている。今回の研究は睡眠時無呼吸と肺炎リスクとの関連性を示したが、因果関係は証明していない。(HealthDay News 3月3日)
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