中高年のむし歯リスクが深刻化 3つの予防策を専門家が指南(2014/6/6 日刊アメーバニュース)

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今、中高年のむし歯が深刻化している。厚生労働省の平成23年度『歯科疾患実態調査』によると、45歳以降からむし歯を持つ人の割合が増加。約20年前は年齢とともにむし歯は減っていたが、現在では高齢者ほどむし歯の人が増えている。65~74歳のむし歯は1987年調査では68.1%だったのが、2011年調査では91.9%もの人がむし歯という結果に。

「昔に比べ、治療技術の進化やご自身で歯のケアをしっかりする人が増え、高齢になっても自分の歯を残せるようになってきています。しかし、その反面、高齢になるにつれ残った歯がむし歯になるリスクがあるんです」。こう話すのは、日本フィンランドむし歯予防研究会・会長で歯科医師の鈴木彰さんだ。

「最近、深刻なのは50代以降に多くなる"根面むし歯"。加齢で歯茎がやせたり、歯周病などが原因で歯と歯茎のすき間ができたりし、露出した歯の根面にできるむし歯です。根面は固いエナメル質に覆われていないので、むし歯に侵されやすいのです。

 口の中にいる常在菌のひとつであるミュータンス菌が、人が食べた糖質を栄養源にして増え、酸を放出して歯の表面のエナメル質を溶かす"脱灰"を起こし、それが長時間続いてエナメル質の破壊が進むとむし歯になります。何か物を食べた後は脱灰が必ず起こります。つまり、食後すぐにむし歯は始まっているのです。その原因となるミュータンス菌を抑制できる唯一の成分は、"キシリトール"なんです。

 キシリトールを摂取すると、ミュータンス菌が糖を摂り込んでも酸を作れなくなり、脱灰を抑制する働きがあります。さらに、ミュータンス菌の活動を抑制し、歯垢を減らすといった、他にはない働きをもつことがわかっています」(鈴木さん)

 具体的にガムや歯みがき剤など、キシリトール配合のアイテムは数多いが、具体的にそれらを利用してむし歯を予防する方法とは? 大人むし歯を防ぐ3つのキーワードを歯科衛生士の楠橋智子さんによる解説つきで紹介しよう。

【1】キシリトール入りガムを5分噛む
「食後すぐに5分ほど唾液を飲み込まないようにして噛みます。市販のキシリトール入りガムなら、1日約10粒が目安」

【2】ガムを噛んだ後に歯みがきを
「キシリトールやフッ素入りの歯磨き剤を使い、歯ブラシを歯の表面に当て、小刻みに動かして磨きます。市販のキシリトール入りガムを噛んだ場合は、その後に歯磨きをするとさらに効果的」

【3】食後は2~3時間あける
「食事と食事の間のダラダラ食いは控えましょう。また、夕食と就寝までの間を、できるだけ2~3時間はあけて、唾液が酸を中和し、溶けたエナメル質を修復する再石灰化の時間を十分にとるよう心がけましょう」

 むし歯予防のキシリトール習慣に役立つものには、たとえば1粒に約0.5gのキシリトールが配合された日本歯科医師会推奨の「キシリトールガム」(143g 819円※編集部調べ/ロッテ)や、アルコール刺激を抑えたソフトシトラス香味の洗口液「モンダミン アクア」(380ml 478円/アース製薬)。そしてキシリトールとフッ素のダブル配合でむし歯を防ぐ「キシリデントライオン」(医薬部外品 120g 575円※編集部調べ/ライオン)などがある。

 R40以降は、キシリトールパワーでむし歯のない健康な歯を保つことが若さの秘訣かも!

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年6月17日 13:12に書いたニュースです。

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