脳の活性化も「よくかむ習慣」の様々な効用-1(2014/5/3 日本経済新聞)

脳の活性化も 「よくかむ習慣」の様々な効用 

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2014/5/3付

 かむことの効用は、子ども、成人、高齢者それぞれの世代にとって少しずつ違う。

 子どもの乳歯が永久歯に生えかわるのは小学校低学年ごろから。あごの筋肉も発達してくる。飯田女子短大教授(長野県飯田市)の安富和子さんは「3~4歳になったら、しっかりかむ習慣をつけ始めるのが大事だ」と説明する。

 安富さんらは保育園年長児の給食で、かむ回数と姿勢などの関係について調べた。園児たちにかむ回数をカウントする装置をつけてもらい、(1)体が正面を向いている(2)背筋がまっすぐ(3)いすに寄りかからない(4)足の裏が床についている(5)足がそろっている(6)茶わんをもっている(7)箸を正しくもっている――の7項目を調査した。

■早食いは禁物

 食事を始めて10分後。「700回以上かめたグループ」では、7項目すべてに問題がなかった園児の比率が約4割あった。「400回以上700回未満」だと約2割、「400回未満」はゼロになった。正しい姿勢でないと力が入らず、かんでも数えられないケースが多いようだ。これは大人でも同じだ。

 安富さんは「親が子どもによくかみなさいというだけでは、食事が楽しくなくなって逆効果。いい姿勢でよくかめば食べ物がおいしくなることを教えてほしい」と話す。ほかに食事で気を付けたいのが早食いをしないこと。一口でたくさんの食べ物を入れすぎないことも大事だ。我慢しきれずにのみ込んでしまい、かむ回数が減る。

 成人になると、よくかむことは生活習慣病の予防との関わりでも軽視できなくなる。満腹中枢に働き掛けて食べ過ぎを防ぐほか、ストレスを軽減させる効果がある。成人男子に満腹になるまでおにぎりを食べてもらった実験がある。一口50回以上かんだ場合、普段と同じように食べたのと比べて食事時間は約2倍かかったが、茶わん1膳分少ない量で満腹になった。

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 歯科関係者などは一般的に一口あたり30回かむことをすすめている。ただ、食べ物によってやわらかさが違う。30回はあくまでも目安だ。のみ込む前にあと10回追加してかむのことを意識したい。また食事をする少し前にガムをかんでおくことも食べ過ぎを防ぐ効果がある。


このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年5月 9日 13:41に書いたニュースです。

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