細胞がストレスに反応する機序が新たに判明(2014.9.22 ヘルスデージャパン)

細胞がストレスに反応するための重要な機序が明らかにされ、「Cell」9月11日号に掲載された。

米デューク大学の研究チームによると、細胞は2万5,000種類を超える特殊な3D形状の蛋白を産生しているが、ストレスを受けるとミスが生じ、正常に折り畳まれない変性蛋白が産生されることがある。しかし、細胞はこの変性蛋白の蓄積を認識し、蛋白産生の速度を落とすか、または完全に停止することによって対応する能力を持っていることが、今回の研究で明らかになったという。

この知見は、アルツハイマー病、ルー・ゲーリック病(ALS)、ハンチントン病、パーキンソン病、2型糖尿病などの変性蛋白の蓄積が関与する疾患について理解を深めるうえで、有用なものとなる可能性があるという。

研究著者である米デューク大学医学部教授のChristopher V. Nicchitta氏は、ニュースリリースのなかで、「細胞がストレスに反応する全く新しい機序を特定した」と述べている。

同氏によると、細胞は基本的に、作業を区分けするために蛋白製造機の構造を作り変えている。細胞は工場のように、生産ライン上で蛋白を製造している。それぞれの細胞がDNAの設計図をもち、それがまずメッセンジャーRNA (mRNA)に転写され、そのmRNAが細胞の外側部分へ送られて蛋白に変換される。

しかし、細胞が過熱や飢餓によりストレスを受けると、蛋白が適正に折り畳まれなくなる。このような変性蛋白は警報を発し、その結果、細胞は生産ラインを減速して変性蛋白を除去する。この反応は小胞体ストレス応答と呼ばれる。

「蛋白の産生速度を落とすことができても、時として減速が十分でないことがある。変性蛋白の処理を促す遺伝子を活性化させることができても、変性蛋白が急速に蓄積してしまうこともある。しかし今回、われわれはもっと優れた機序を発見した。この機序ではすべてを効率的に保留状態にすることができる。細胞環境が正常に戻れば、mRNAは待機状態から解放される」とNicchitta氏は説明している。

同氏は現在、ストレス反応時に細胞が利用する機序を決定する因子を探しているという。(HealthDay News 9月11日)

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このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年9月24日 16:23に書いたニュースです。

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