【男の身だしなみ講座】6月4日は虫歯の日。ランチ磨きのススメ(2014.05.23)
■まずは「歯磨き」がどういう行為なのかを理解する
毎日、正しい歯磨きをすることで、予防できるといわれている虫歯と口臭だが、虫歯と口臭が発生する要因について、正しい説明ができる人は意外と少ない。そこで、簡単に虫歯が発生するメカニズムについて紹介したい。
食事をして、口の中に食べ物が入ると、口の中は酸性に傾き、酸性になると歯の表面が溶けて、虫歯の原因である「脱灰(だっかい)」という状態になる。脱灰とは、歯の表面からミネラル成分のカルシウムやリンが溶け出す状態のことであり、飲食をするとプラーク(歯垢)中の細菌が酸を作り出すために起こる現象だ。口の中は常に細菌が繁殖しやすい状態であるため、虫歯だけでなく、歯周病も引き起こしやすい状態だということを覚えておきたい。
食事をした後、しばらくすると、唾液の力によって、細菌の作り出した酸を中和する作用や洗い流す作用が起こり、溶け出してしまったカルシウムやリンが歯の表面に戻る。この状態を「再石灰化」と呼ぶ。もちろん、自然治癒でも脱灰状態を脱することが可能だが、この脱灰状態を早く脱することこそが、虫歯や歯周病の予防につながる。歯磨きは、プラーク(歯垢)を取り除くことができる行為であるため、虫歯や歯周病の予防になるというわけだ。
■口臭を発生させる要因は「細菌の増殖」
では、口臭はなぜ発生するのか。口臭が発生する要因は、「生理的口臭」と「病的口臭」に分けられる。生理的口臭は、普段の生活習慣やストレスなどに気を付けることで改善できるが、病的口臭は、治療が必要な場合もあるので、そうなる前の予防が大切だ。
病的口臭は、前述した「細菌の増殖」に起因するものが多く、これをいかにして防ぐかが口臭予防にとって重要なポイントになる。そして、この細菌を増殖させる大きな要因は、虫歯や歯周病であり、歯磨きをすることによってその予防をすることは口臭予防にもつながるというわけだ。つまり、食後に歯磨きをすることは、虫歯だけでなく、口臭の予防にもなるのだ。
■歯磨きは1日何回すればいい?
歯磨きといえば、朝と晩の2回にすることが常識となっているが、「マイナビウーマン」が働く女性に行なったアンケート調査によると、3人に2人が朝、ランチ後、夜の1日3回磨いているという結果が出ている。女性の間では定着しつつある「ランチ磨き」だが、男性はどうだろうか。
インターワイヤード社が4488人に行なった調査では、1日3回歯を磨く男性は15.2%と、まだ浸透していない。食後すぐに歯を磨くことが虫歯、歯周病、口臭予防になるため、ランチの後はぜひ磨いておきたい。さらに、ランチ後に人と会う予定があるならば、口臭予防となるランチ後の歯磨きは、必ず行ないたいエチケットだ。