医療相談 インプラント手術で白い膜(2014/9/7 読売新聞)

インプラント手術で白い膜

 インプラント手術の後、口の中が渇きピリピリして、インプラント側の頬と舌の裏に白い膜が出来ました。金属のアレルギー検査で一部の金属に陽性反応が出ました。インプラントを外せば症状は治りますか。(66歳女性)

アレルギーなら金属除去も

 松村 光明 松村歯科医院院長(東京都世田谷区)

 症状から、扁平へんぺい苔癬たいせんの可能性があります。手や足、口の中や唇、外陰部などに赤紫色の発疹ができる病気です。

 この病気のはっきりとした原因は不明ですが、最近は金属アレルギーが関係した例が報告されています。

 扁平苔癬の治療ではまず、ステロイドの塗り薬やビタミン製剤などを試みるのが一般的です。

 金属が原因であればその金属を除去すれば、症状の改善が望めると思います。

 金属アレルギーと診断されていて、さらに口の中にアレルギーの原因(アレルゲン)となる金属があれば、その金属の除去を試みる価値はあると考えられます。

 インプラントは、一般的に三つの部分に分けられます。人工歯根と呼ばれる骨に埋まっている部分と、かぶせ物、そしてこの二つをつなぐ金属製のネジです。

 人工歯根は一般的に、アレルギーの心配のないチタンという金属を使っています。チタンのアレルギー検査が陰性ならば、骨に埋まっている部位は取り外す必要はありません。

 しかし、かぶせ物が金属製ならば、アレルゲンとなる金属が使われている可能性があります。また、つないでいるネジの成分も問題となることがあります。これらの金属の成分については、処置を行った歯科医に確認する必要があります。

 扁平苔癬は、治るまで長い経過をみる必要があります。焦らずに、かかりつけ医に相談してください。

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年9月 9日 16:26に書いたニュースです。

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