医療相談 22歳娘 高校時代から歯ぎしり(2014/9/28 読売新聞)

22歳娘 高校時代から歯ぎしり

 22歳の娘は高校生の頃から歯ぎしりが始まりました。大学以降に激しくなり、高校時代に矯正した受け口も戻ってしまいました。同室で寝る姉が寝られないほどです。原因や治療法を教えてください。(53歳女性)

ストレス減らし良質の睡眠を

 山口 泰彦たいひこ 北海道大歯学研究科教授(札幌市)

 歯ぎしりは歯のこすり合わせやかみしめを起こす習癖で、音が出ないものや寝ている時だけでなく昼間に起きるものもあります。ご質問の娘さんは、音を伴っているようですので、こすり合わせる動きの歯ぎしりをしているのでしょう。

 音による支障の他、歯のすり減りや折れ、割れ、歯周病、あごの痛み、かぶせた冠や義歯の破損を引き起こすこともあります。過剰な力で長期間続くとかみ合わせが変わることはあり得ますが、受け口まで引き起こすかどうかは何とも言えません。歯並びが変わる原因は他にもあるので、かみ合わせ専門の先生にも相談されるといいでしょう。

 歯ぎしりは睡眠の深さや自律神経の変化と関係することがわかっており、原因として精神的ストレス、遺伝などが考えられていますが、詳細はまだ明らかではありません。薬や他の病気の影響もあり得ます。

 歯ぎしりを完全になくす治療法はまだ確立されていません。多く用いられるのが取り外し式のマウスピースで、音を防ぐとともに歯やあごの負担を減らします。使い続けている間は定期的なチェックが必要です。

 精神的ストレスを減らし、質の良い睡眠をとることや、昼間のかみしめでは意識的に上下の歯を当てないようにするセルフコントロールも大切です。薬による治療は研究されているところです。相談や治療は歯科で行っていますが、医療機関によっては歯ぎしり専門の外来もあります。

(2014年9月28日 読売新聞)


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このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年9月29日 15:46に書いたニュースです。

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