指しゃぶりと歯並び(2014/7/30 中日新聞)

3歳過ぎると影響も

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 「指しゃぶりはいつまで続けて大丈夫ですか」「このままだと歯並びには影響はありませんか」という質問を保護者の方から受けることがあります。一般的に3歳くらいまでの指しゃぶりは、赤ちゃんの時の「吸う」という生まれながらの反射の名残ですので、歯科的に問題となるような点はありません。しかし、しゃぶる指やしゃぶり方によっても変わってきますが、乳歯が生えるに伴って、長時間しゃぶる行為が続けば続くほど、歯並びやかみ合わせへの影響が出やすくなるのは事実です。

 歯並びは歯がどのように生えてきたかということも重要ですが、生えた後、歯の外側にある唇や頰の筋肉から加わる力と、歯の内側にある舌の圧力のバランスによっても並び方は変化していきます。そして最終的には、両者のバランスの取れた場所に歯の位置は落ち着いていきます。

 長時間の指しゃぶりが続くと、指そのものやしゃぶるときの口の周囲の筋肉によって、歯や歯を支えている骨に力が加わり、歯並びやかみ合わせに影響が出てきます。その例として(1)上の歯が前に出る上顎前突 (2)上下の前歯に隙間があく開咬(こう) (3)上下の奥歯が横にずれて中心が合わない交差咬合などが生じてきます。また、このような異常に伴って、発音や嚥下(えんげ)、呼吸にも影響が出てくる場合があります。

 指しゃぶりは生理的なものであり、3歳くらいまでは特に禁止するものではありませんが、それを過ぎたら、4〜5歳くらいまでには、周囲の方の配慮により、徐々にやめられるように導いていってあげてください。

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年8月 1日 15:59に書いたニュースです。

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