宮崎県都城市教委は28日、同市菓子野町の菓子野地下式横穴墓で出土した古墳時代中期(5世紀中頃~6世紀前半)の人骨の歯石から、でんぷん粒を検出したと発表した。死者が亡くなる前に小豆とオオウバユリを食べていたとみられるという。骨の歯石に残ったでんぷん粒から食物を確認できたのは国内で初めて。
市教委によると、地下式横穴墓は南九州特有の形式で、縦穴を掘り、さらに横穴を掘って地下に墓室を設け死者を葬る。2011年12月から発掘調査を開始し、出土した人骨4体について九州大と鹿児島女子短大に分析を依頼した。このうち、熟年男性とみられる1体の左下奥歯を電子顕微鏡で調べたところ、でんぷん粒が見つかり、現代の標本と照合した結果、小豆とオオウバユリを食べていた可能性があるとわかった。
市教委文化財課の近沢