「また、ネットで第1類医薬品を買う際は、性別、年齢、症状、医療機関受診の有無などを入力し、薬剤師がメールで使用者の状態に応じた個別の情報提供をし、購入者がそれを理解した旨を連絡して初めて購入できる。最低でも一往復半のやり取りが必要で、症状や持病によっては受診を勧められ、薬が購入できないことも。副作用を避けるには、正直な情報を伝え、薬剤師からの返信もきちんと読んで」と渡辺教授。
やり取りに時間がかかるのが難点だが、ケンコーコムが24時間チャットなどを使ってリアルタイムで薬剤師とやり取りができる「薬剤師LIVE」を5月末から開始するなど、ネット業者も対策に余念がない。アマゾンなど当日受け取りが可能なネット薬局もある。
心配なのは偽薬局サイト、偽薬を販売するサイトの存在。厚生労働省もパトロールを強化しているが、4月からの2カ月間で35の未承認薬販売サイトや偽薬局サイトが見つかっている。
「購入前に、医薬品販売業者として許可を受けている薬局のサイトか必ず確認を。その店で買った薬でなくても薬剤師には相談に応じる義務があるので、処方薬も市販薬も扱う"リアル薬局"をかかりつけにすると疑問点も相談できて安心」と渡辺教授。
ネットで薬を買うときの6つの心得
1.医薬品販売業許可を受けているネット薬局か確認
厚生労働省の「一般用医薬品の販売一覧」サイトをチェック
2.購入前に添付文書を熟読する
添付文書が読めるサイト(PMDA:医薬品医療機器総合機構)が便利
3.市販薬でも副作用や持病薬とののみ合わせが悪い場合があると知っておく
4.相談用の連絡先や勤務中の薬剤師名の記載も要チェック
5.医薬品の写真、使用期限も確認して購入を
6.ネットで買った薬の疑問点も、地元の薬局で相談OK
6つの心得を常にチェック。ネットでの薬の販売を都道府県に届け出た薬局は5月末現在1048軒。店舗での営業が週に30時間以上などの条件をクリアした薬局のみネット販売を許可される。