帯状疱疹、若い世代も発症 早めの治療で後遺症防ぐ① (2014/8/20 日本経済新聞)

 帯状疱疹(ほうしん)は、体の奥に潜んでいた「水ぼうそうウイルス」が再び活発化して引き起こす病気だ。電気が走るようなぴりぴりとした痛みとともに赤い発疹ができて水ぶくれとなり、胴体などの片側だけで帯状に広がる。高齢者の病気というイメージが強いが、若い世代の発症も目立つ。加齢や過度なストレスなど原因は様々で、治療が遅れると痛みなどの後遺症が長引く恐れがある。早期の対応を心がけたい。

帯状疱疹は帯状に水ぶくれが広がり、痛みを伴う(宇野皮膚科医院提供)
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帯状疱疹は帯状に水ぶくれが広がり、痛みを伴う(宇野皮膚科医院提供)

 神奈川県に住む80代男性は腰のあたりに痛みを感じていた。家族に皮膚を見てもらったが、特に異常は見つからなかった。2週間様子を見たが、痛みは増すばかりで、38度を超す熱も出た。男性は痛みで動けなくなり、家族に抱えられて病院を訪れた。

■ウイルス再び活動

 医師は帯状疱疹と診断。男性は処方された抗ウイルス薬などを飲み、5日ほどで痛みなどの症状は改善したが、皮膚はただれたままだった。

 帯状疱疹は加齢やストレスなどにより、病原体から身を守る免疫の働きが下がり発症する。ぴりぴりとした痛みを皮膚に感じた後、数日後に赤い発疹が出て、帯状の水ぶくれとなる。

 新ゆり内科(川崎市)の高橋央院長は「衣類や髪の毛が触れただけで痛むので夜も眠れず、日常生活に支障を来すことがある」と説明する。発疹ができる場所は胸、腹部、腕、顔、頭部など幅広く、体の片側だけに帯状に出る。

 帯状疱疹を引き起こすのは、子供の頃にかかる例が多い水ぼうそうのウイルスだ。このウイルスに初めて感染したときは水ぼうそうとして発症するが、「治ってもウイルスが体の奥の神経節という場所に逃げ込む」(高橋院長)。ウイルスはその後じっとしているが、加齢やストレス、過労などで免疫の働きが弱まると再び活性化し、神経の道筋に沿って表面に出てくる。

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 発疹は体に走る神経に沿って出る。三叉(さんさ)神経の場合は顔面に、肋間(ろっかん)神経なら胸や背中などの胴体部分に痛みを引き起こす。それらの神経に沿って帯状の水ぶくれができる。頭皮で発症すると髪の毛で気づきにくいこともある。通常は体の1カ所だけに起こるが、複数箇所に起こる例もある。

 帯状疱疹は免疫の働きが下がる50歳以上の発症が多い。75歳以上ではさらに発症する可能性が高まる。一生のうちで6~7人に1人が帯状疱疹を発症するといわれている。発症は季節によって変わるという。高橋院長は「水ぼうそうは春先に多く、帯状疱疹は体が疲れてくる年後半の発症が多い」と指摘する。


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このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年8月20日 12:36に書いたニュースです。

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