コーヒーには抗酸化物質が豊富に含まれるほか、抗炎症作用もあるとも言われており、これまでにも様々な健康効果が伝えられてきた。ボストン大学歯学部らの研究により、コーヒーの摂取が歯周病の予防に役立っている可能性があることが分かった。
30年間にわたる長期調査のデータを分析
研究者が用いたのは、1968年から1998年までの30年間、退役軍人を対象に3年に1度行われた歯科関連の長期調査から集めたデータ。その中から男性1152人分のデータについて(調査開始時の年齢は26~84歳)分析を行った。
コーヒーの摂取量が多いと歯槽骨の減少を防げる?
研究チームは対象者の自己申告によるコーヒーの摂取量をレベル分けし、アルコールの摂取や喫煙の程度、糖尿病の有無や状態、歯磨きの頻度等を考慮したうえで、歯周ポケットの深さ、プロービング時の出血(先端に目盛りの付いた探針を使って歯周ポケットの深さを調べる時の出血)、レントゲン写真による歯槽骨(顎骨の中でも特に、歯を支えている部分)の状態との関連を調べた。
その結果、コーヒーを大量に摂取している場合、歯槽骨の減少が見られる歯の数に関して統計的に有意な低下が認められ、コーヒーの摂取が歯周衛生に悪影響を与えないこと、むしろ歯周病の予防に役立っている可能性があることが分かった。
今回はデータの数が多いとは言えず、研究者は今後さらに対象を広げて調査・研究を行っていきたいと述べている。
ボストン大学らの研究は『Journal of Periodontology』に発表された。