東京・大手町の「東京クリニック」骨・生活習慣病外来医師の板橋明さん(元埼玉医大教授)は、運動習慣の必要性を強調している。
ウォーキングやジョギング、スクワットなど、主に下半身強化の運動のほか、骨粗しょう症対策に欠かせないのが背筋運動だ。骨折しやすい腰椎の骨密度を増やし、筋力を高める。
座布団を数枚、腹の下に入れ、うつぶせから上半身を起こし、数秒~10秒間キープして元に戻す。これを繰り返す。日常生活の中で背筋をしっかり伸ばすのも、背筋が鍛えられ、習慣づけるといい。
"骨太対策"は年配者だけの問題ではない。「20、30歳代で脊椎骨折した妊婦の方がいました」と板橋さんは指摘する。胎児の骨格作りで、母親の体のカルシウムが提供され、授乳時には一時的に閉経に似た状態になるため、骨を壊す「
まだ若い人たちは「骨貯金」ができる。骨密度がピークに達する20歳代までに、栄養や運動などで骨を丈夫にして最大骨密度をできるだけ増やす「骨貯金」をしておく。すると、加齢で骨密度が低下しても、骨折しにくくなる。
もう一つ、骨粗しょう症で注意しなければならないのが遺伝。「母親や祖母に骨粗しょう症の症状があった場合、娘さんが発症する可能性がある。娘、母、祖母3世代そろって骨密度チェックを」と板橋さんは勧めている。