お酒飲まないのに...非アルコール性の肝臓病、運動不足や食生活が原因(2014/10/6 あなたの健康百科)

脂肪の多い食事も一因(Thinkstock/Getty Images)
脂肪の多い食事も一因(Thinkstock/Getty Images)

 お酒が脂肪肝をもたらし、肝臓の機能を損なうことはよく知られている。一方、お酒を飲まない人でも、運動不足や食生活の乱れが原因となって「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれる肝臓病が引き起こされることもある。「お酒を飲まないから安心ということは決してありません」と、慶応義塾大学病院(東京都新宿区)消化器内科の横山裕一医師は警鐘を鳴らす。

ストレスも一因

 NAFLDは飲酒による肝障害とは異なった仕組みで肝臓に脂肪が蓄積するもの。「脂肪過多の食事運動不足、ストレスなどが原因で内臓脂肪が蓄積し、さらに肝臓にも脂肪が蓄積します。内臓脂肪蓄積が原因で起こるメタボリックシンドロームと兄弟関係にあります」と横山医師。見かけはスマートでもNAFLDになっていることもあるので、注意が必要だ。

 内臓脂肪の蓄積に拍車がかかると、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を引き起こし、肝硬変につながることもあるという。横山医師がある企業を調査したところ、40歳以上の男性の40%、女性の15%がNAFLDで、潜在的な患者はかなり多いと推測される。肥満の増加が懸念される今後は、さらに深刻な問題になっていくだろう。

 「すべてがNASHや肝硬変に移行するわけではありませんが、自覚症状がないことも多く、気付いたときには手遅れの肝硬変になっていることもあります。健康診断などで指摘された場合、NASHへの移行を防ぐことが何よりも重要です」

睡眠は時間と質を

 予防は「食事運動睡眠」が3本柱となり、カロリー、特に脂肪分を控えた食事と定期的な運動、適正な睡眠が推奨される。また、横山医師は、最近、睡眠の重要性が注目されていることを強調する。

 「良質の睡眠が取れないと食欲を抑えるホルモンが減り、食欲を刺激するホルモンが増え、結果、食欲過多になるという報告もあります。日本人の場合、6~7時間の睡眠が適正とみられ、その中で何回か深い睡眠に入ることが重要です」(横山医師)

 また、「退職を機に、NAFLDが改善するケースもあります。現代は適切な食事運動睡眠が取れないことも多々あります。人間本来の生活を送ることが究極の予防になるのでは」と、無理のない生活を呼び掛けている。


このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年10月 8日 16:03に書いたニュースです。

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