おとなの虫歯の遠因として、注意したいのが知覚過敏だ。
知覚過敏は、歯茎が下がって象牙質が露出することによって起きる。冷たいものや歯ブラシによる刺激が、露出した象牙質から象牙細管を通って神経に届くことで痛みを感じるのだ。「酸に溶けやすい部分が露出していることに加え、知覚過敏が気になるとブラッシングもおろそかになりがち。虫歯になるリスクは高いでしょう」。
知覚過敏は、リン酸カルシウムなどの薬剤を塗布することで治療できる。気になる人は、歯科医に相談するといいだろう。
虫歯を予防するには、毎日のケアを怠らないのはもちろん、定期的に歯科医のチェックを受けることも必要だ。だが宮崎さんによれば、定期的に歯科医院に行くべきだと考えている人は7~8割いる半面、実際に行っている人は3割程度しかいないのが現状という。
歯にトラブルはないと思っている人でも、気づかないうちにおとなの虫歯が進むことは十分考えられる。決して油断せず、時間を見つけて歯科医院に一度足を運ぼう。