腰痛も「気」から ストレスと腰痛は関連あり-3(2014/11/23 日本経済新聞)

「腰痛に対する恐怖や不安があると腰を大事にしすぎる。その結果、かえって痛みが長引き、治りが悪くなる」と松平医師。

 脳には、痛みを抑える内因性の鎮痛システムが備わっているが、ストレス状態が続くと機能低下し、痛みに敏感になる。

 骨折やがん、感染などの病気がもとで起こる要注意の腰痛は、時間帯や動作に関係なく常に痛むなどのサインがある。これらがないなら、ストレスが関係した「非特異的腰痛」の可能性が高い。X線検査を行うと椎間板の老化などが映ることがあるが、形態の変化と痛みの強さは必ずしも一致しない。そのため、非特異的腰痛への画像検査は、世界的に推奨されていない。非特異的腰痛は腰痛全体の85%を占める。「非特異的腰痛だと分かったら、まずは安心することが大事。その上でセルフケアを進めていくといい」(松平医師)

腰痛の発症と慢性化に関係する要因
【発症】
・過去の腰痛歴
・持ち上げ動作が多い
・職場の対人関係ストレス
【慢性化】
・仕事の満足度が低い
・体のストレス症状
・腰痛で苦しんだ家族がいる
 1年間腰痛のなかった836人で腰痛発生要因を調べた結果、心身のストレスが浮上。一方、軽い腰痛のある1675人で慢性化にかかわる因子を調べた研究では、仕事の満足感の低さほか、ストレスに起因する身体症状などが挙がった。(データ:Spine;37,15,1324-1333,2012/PLoS ONE;9,4,e93924,2014)

~こんな腰痛は要注意のサイン~

●時間帯や動作に関係なく痛む ●胸部痛 ●発熱 ●がん、ステロイド治療、HIV感染の既往 ●栄養不良 ●体重減少 ●広範囲に及ぶ神経症状※がある ●脊椎や椎間板の変形による脊柱変形

 骨折、腫瘍、感染などを疑わせるサイン。発症が20歳未満もしくは50歳超も要注意。※神経症状とは、重い腰椎椎間板ヘルニアなどで神経根が強く圧迫されて生じる。片側の脚の痛みが腰痛より強い、足部に痛みが放散する、同じ部位のしびれと感覚麻痺などがサイン。(『腰痛診療ガイドライン2012』より)

この人たちに聞きました

牛田享宏さん
 医師。愛知医科大学医学部教授。学際的痛みセンター長。運動療育センター長。専門は運動器疼痛。「腰痛を理由に手術を受けても、痛みやしびれはたいてい残ります。メスを入れると神経を傷つけるリスクなども発生します。それでも受けるメリットがあるかをよく考えて判断してほしいと思います」

松平浩さん
 整形外科医。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任准教授。「非特異的腰痛は心配のない腰痛。自分の腰痛に対するネガティブなイメージが、腰痛を治りにくくするので、医療機関で検査を受け非特異的腰痛だと分かったら、安心してセルフケアに取り組んでください」


このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年11月26日 17:51に書いたニュースです。

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