腰痛も「気」から ストレスと腰痛は関連あり-2(2014/11/23 日本経済新聞)

 急に起こってきた腰痛の多くは2週間以内に改善する、ストレス状態が続くと痛みが長引き、慢性化しやすい。これは、心身ともに緊張した状態が続くことにより自律神経のバランスが崩れるから。実際、痛みが長引いたり、繰り返し起こったりする慢性腰痛に発展するリスク因子を調べた研究で、(1)ストレスに起因する心身反応としての身体不調がある(2)仕事に対する満足度が低い(3)腰痛で苦しんだ家族がいる──という3つが挙がった。「家族歴が影響するのは遺伝的に腰痛を起こしやすい体質があるとも考えられるが、腰痛が恐怖を伴う記憶になっていることも大きい」と牛田教授。

脳には内因性の鎮痛システムが備わっている。その一つがセロトニン、ノルアドレナリンによる「下行性疼痛抑制系」。ストレス状態が続くと、この働きが低下し、ちょっとした痛みにも敏感に反応する
[左]健康な状態。痛みが脳へ上がってくると、セロトニン、ノルアドレナリンなどが分泌され、痛みを和らげる
[右]慢性痛がある状態。脳でのセロトニン、ノルアドレナリンの出が悪くなっているせいで、弱い痛みも強く感じる(イラスト:いたばしともこ)
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脳には内因性の鎮痛システムが備わっている。その一つがセロトニン、ノルアドレナリンによる「下行性疼痛抑制系」。ストレス状態が続くと、この働きが低下し、ちょっとした痛みにも敏感に反応する
[左]健康な状態。痛みが脳へ上がってくると、セロトニン、ノルアドレナリンなどが分泌され、痛みを和らげる
[右]慢性痛がある状態。脳でのセロトニン、ノルアドレナリンの出が悪くなっているせいで、弱い痛みも強く感じる(イラスト:いたばしともこ)

 牛田教授によると、痛みが脳で不快な感覚としてキャッチされるときには「つらい、苦しい」という情動体験を伴う。情動を伴う記憶は容易に再生されるため、腰痛経験者は重い物を持ち上げようとしている絵を見ただけで、不快感や腰の痛みが出る人が少なくないという。

痛みが生じたときの反応は、対峙と逃避に分かれる。恐怖のあまり逃げると不安は次第に大きくなる。痛みを避けようと安静を心がけ、注意が痛みに集中。かえって痛みを長引かせ、治りにくくする。悪循環を断つカギは、楽観的に痛みと向き合うことだ。(参考:J Behav Med;30,1,77-94,2007)
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痛みが生じたときの反応は、対峙と逃避に分かれる。恐怖のあまり逃げると不安は次第に大きくなる。痛みを避けようと安静を心がけ、注意が痛みに集中。かえって痛みを長引かせ、治りにくくする。悪循環を断つカギは、楽観的に痛みと向き合うことだ。(参考:J Behav Med;30,1,77-94,2007)

腰痛や坐骨神経痛がある患者(20~50歳)と、年齢などの条件が同じ健康な人(各46人)にMRI検査を行った結果、両者の差は神経根の圧迫のみだった。アンケートでは、腰痛群のほうがストレスが高く仕事の満足度が低かった。(データ:Spine;15,20,24,2613-2625,1995)
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腰痛や坐骨神経痛がある患者(20~50歳)と、年齢などの条件が同じ健康な人(各46人)にMRI検査を行った結果、両者の差は神経根の圧迫のみだった。アンケートでは、腰痛群のほうがストレスが高く仕事の満足度が低かった。(データ:Spine;15,20,24,2613-2625,1995)


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このページは、Uクリニック竹内歯科が2014年11月26日 17:49に書いたニュースです。

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