貧血と低血圧、何が違う 血液の質とポンプ作用に差 血 液、血管、血流にまつわるQ&A(2015/1/19 日本経済新聞)

 低血圧と貧血は関連していると考える人もいるだろうが、実は2つは異なるもの。話題の血液クレンジングとは? 若さを保つために血管を強くするには何が必要か? 奥が深い血液の世界。もっと知りたい、気になるあれこれについて解説しよう。

Q.「貧血」と「低血圧」の違いはなんですか?
A.貧血は血の質、低血圧はポンプ作用の問題です。

 急に立ち上がったときにめまいや立ちくらみが起きる現象を、俗に"脳貧血"と呼ぶため、貧血と低血圧の二つは混同されてしまいがち。ふらふらしたり、めまいや立ちくらみといった症状は似ているが、全くの別物だ。

 貧血は血液中のヘモグロビンの量が減少している、血の質の問題。改善のためには、なんといっても食生活。鉄分とたんぱく質を意識してとることが大切だ。

 低血圧は、心臓から押し出された血液が血管の壁を内側から押すポンプ作用が弱くなっていることが原因。低血圧の定義は基礎血圧(朝起きてすぐに測定した数値)の最大値が100mm Hg未満とされている。女性に多いのが、通勤電車などで長時間立っていて気分が悪くなる起立性低血圧だ。これは、下半身にたまった血液を心臓に押し上げる力が弱く、脳に血液が十分回らないことで起こる。

 低血圧の中には、血液を保つ機能をコントロールする自律神経のトラブルや、アレルギー疾患など多くの関連疾患があるので、まずは基礎血圧を記録することから始めよう。

 低血圧の場合は、下半身の筋力をアップさせて、血液循環をよくさせることを意識しよう。食生活では減塩を心がけすぎないこと。血圧を上げるのに適度な塩分が必要になるからだ。

Q.血管を強くするのに効果的な簡単にできることは何ですか?
A.早歩きがお薦めです。おへその位置がぶれないように意識しましょう。

 「血管強化のための早歩きで最も重要なのは、正しい姿勢。おへそが進行方向に対して左右にぶれないように意識しながら早歩きをすると、全身の筋肉がバランスよく強化されると同時に、心拍数も上がる。この、心拍数を上げて筋肉を鍛えることが、血管強化のカギ」と、KIZUカイロプラクティックグループ代表院長の木津直昭さん。

 歩くときに体が左右に揺れる、上体が前傾する、猫背になる、ひざが曲がったままなど、崩れた姿勢で早歩きをすると、「股関節や膝関節に余計な負担がかかり、ひざや腰を痛めてしまうことも」(木津さん)。特に座り時間の長い女性に多いのは、「後ろ側の脚のひざや股関節が曲がったまま、十分に蹴り出せていない歩き方。そのまま歩いても、すぐに脚がだるくなるはず」(木津さん)。

 そこでお薦めなのが、そけい部のストレッチ。「そけい部の詰まりをとっておくと、歩くときに脚の付け根が伸びやすくなって、後ろの脚でしっかり蹴り出せるようになる。長時間の座り姿勢のリセットにもなる」(木津さん)。試してみよう。

●早歩きするときは股関節の前側をしっかり伸ばして
歩くときのポイント
・背筋を伸ばし、肩の力を抜く
・進行方向に対しておへそがぶれないように歩く
・後ろ脚でしっかり蹴り出す
●そけい部の詰まりをとるストレッチ
 あおむけでお尻の下(仙骨のあたり)に丸めたタオルを置く。骨盤の前側の出っ張った骨のすぐ内側に両手の指先を当て、手前に強く引っ張りながら、脚をつま先のほうへ伸ばしてそけい部をストレッチ。

 

Q.今話題の、「血液クレンジング」とは何ですか?
A.体の抗酸化力を高めて老化を予防する療法です。

 有名人やモデルが実践していると話題の血液クレンジング。「100~150ccを採血し、そこにオゾンを加えて体に戻すことで体内の抗酸化力を高める治療法。医療用オゾンを適量注入することで、元々体に備わっているSODなど、抗酸化酵素などによる抗酸化力が活性化され、酸化ストレスに強い体になる」と健康院クリニックの細井孝之副院長。疲労、眼精疲労、肩こり解消、動脈硬化や認知症の予防が期待できるという。費用はクリニックにより異なるが、健康院クリニックでは初回1万円(2回目以降1回2万5000円。税込、初診料別途)。

 酸化による体の"さびつき"と並んで、体内の血管や肌の老化を進めるのが糖化による体の"焦げつき"。糖がたんぱく質にくっついて発生するAGEs(最終糖化生成物)が蓄積すると、肌はくすみ、動脈硬化や糖尿病のリスクが上がる。AGEsは一度できると取り除くことは難しいので、防ぐことが大切になる。現時点での体の"焦げつき"は「体内糖化度検査」で調べることが可能だ。費用の目安は1万円(税別、健康院クリニックの場合)。


このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2015年1月23日 18:06に書いたニュースです。

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