虫歯・歯周病(5)炎症進むと手術必要(2015/1/11 日本経済新聞)

 歯周病の原因は虫歯と同じく歯垢(しこう)中の細菌です。できるだけ毎食後に歯を磨き、歯垢を取るとともに歯肉を引き締めましょう。歯周病の多くは、歯と歯の間(歯間部)から始まります。デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯間部の歯垢をしっかり取ることも大切です。

 毎日の歯磨きのほか、歯科医院を3~4カ月に1回程度受診して、取り残した歯垢や歯磨きで取れない歯石を除去するのも効果的です。歯石は表面がざらついているので歯垢がたまりやすく、歯周病菌が繁殖する足がかりになります。歯周病も虫歯と同じく、痛みを感じる前に予防するのが基本です。

 歯周病の発症後も初期段階ならば、症状改善が可能です。そのためにも歯を磨いて歯垢を取るとともに、歯科医院で歯石や汚れたセメント質を除去してください。必要に応じてかみ合わせを調整する例もあります。

 しかし歯槽骨が溶ける歯周炎が進むと、これらだけでは対処できません。歯槽骨の形を整える手術をしたり、骨が失われた空間にあごや骨盤の骨、人工骨を移植する再生療法を実施したりします。健康保険は一部しか適用されませんが、特殊な膜を貼って歯槽骨の再生を誘導する「GTR法」や、エムドゲインという薬剤を塗る方法もあります。ただ隣の歯に悪影響が及ぶほどひどい歯周病では、歯を抜く必要があります。

(山本一世・大阪歯科大学教授)

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このページは、Uクリニック竹内歯科が2015年1月13日 15:36に書いたニュースです。

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