地図状舌 不安が悪化促す可能性も (2015/01/21 北海道新聞)

Q.75歳男性。1年前、口の中でしみるような異常を感じ、鏡でのぞいたら舌がまだらに赤くなっていました。口腔(こうくう)外科や耳鼻咽喉科で「地図状舌(ちずじょうぜつ)」と診断を受け、「原因不明なので経過を観察しましょう」と言われました。地図のようなまだらは、大きくなったり小さくなったりしています。うがい薬で対応しているだけです。触診で「舌がんの兆候はない」と言われましたが、落ち着きません。どうすればいいですか。 

<回答> 安彦善裕(あびこ・よしひろ)さん 北海道医療大学病院口腔内科(札幌市北区)
 

 複数の病院で既に「地図状舌」との診断がついているとのことですから、むしろ安心ですよね。なぜなら、地図状舌は悪い病気ではありませんし、特にここから舌がんが発症するということもないからです。「舌がんの兆候はない」との意見は正しいと思います。 

 痛みなどの症状はありませんので、治療の必要はありません。ただし、もし食べ物がしみるようなときには、炎症を抑えるための薬が必要なこともあります。 

 ビタミン不足、アレルギー、ホルモンの変調、ストレスなどが、この病気の原因として挙げられています。でも、これらを否定する報告もあり、実のところは原因がわかっていません。 

 この中で最近、報告の多いものにストレスとの関係があります。この病気は、ご質問の方が訴えているように、舌のまだらになった部分が大きくなったり小さくなったり変化します。 

 ストレスがかかった状態になるとこれが大きくなるとか、地図状舌の患者さんは日常的に不安が強い―という報告もあります。 

 原因はわかりませんが、地図状舌が発症し、そのことが不安で状態が悪化している可能性も否定できません。日常生活では、自分の舌は見えないものです。わざわざ鏡を使って舌をのぞいてしまうと、よけいに気になりますよね。 

 地図状舌は悪い病気ではありませんが、もし心配ならば、ご自分で判断するのではなく、口腔内科、口腔外科、耳鼻咽喉科などの専門の先生に定期的に診てもらってはいかがでしょうか? その代わり、鏡で舌を見ることを少しずつやめてみてください。

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2015年1月28日 12:59に書いたニュースです。

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