歯周病は幅広い年代がかかる病気で、30代後半の約8割が罹患(りかん)しているというデータもあります。歯周病の原因や予防法など、口のケアについてお話しします。
歯周病は、歯を支える歯周組織に炎症が起きる病気のことです。歯周組織とは、歯ぐき(歯肉)や歯槽骨、歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜などを指します。
歯周病の初期の段階で、歯肉にだけ炎症が起きている状態が「歯肉炎」です。歯ぐきが赤く腫れたり、軽い刺激で出血したりします。炎症が進んで、歯肉から歯槽骨など深い部分にまで広がった状態が「歯周炎」。歯がグラグラしたり、血やうみが出たりします。歯と歯ぐきの間にある隙間がさらに深くなるなどして歯槽骨が破壊され、最後には歯が抜けてしまいます。
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの隙間にたまったプラーク(歯垢〈しこう〉)です。プラークは細菌の塊で、プラーク中の歯周病菌によって歯周組織に炎症が起きます。歯と歯ぐきの隙間の深さが4ミリ以上になると、中程度の歯周炎と言えます。深さは歯科医院で検査してもらうとわかります。
深さ4ミリ以上の隙間がある人の割合は、年齢とともに増える傾向があります。厚生労働省の歯科疾患実態調査(2011年)では、20~24歳は約14%ですが、45~49歳は約31%。65~69歳になると、半数を超えます。
歯周病は口の中だけの病気だと思いがちですが、糖尿病などほかの病気との関連も指摘されています。口内の歯周病菌が、誤って気管に入って肺炎を引き起こす場合もあり、体の健康のためにも口の中のケアは重要なのです。
歯肉炎の段階なら、歯磨きや歯間清掃でプラークを取り除くことで、改善できま