シェーグレン症候群 今ある方法で症状和らげよう(2014/12/24 北海道新聞)

Q.40代女性。「シェーグレン症候群」と診断されました。3年前からドライアイがひどく、今年になって口の渇き、疲れ、めまいが顕著でした。医師から「治療法がなく症状に応じた対症療法しかない」と言われました。50代で悪化する例が多く、何もなければそのころにまた来院し検査すればよいとのこと。50歳までこの先何年も様子をみるだけでいいのでしょうか。

<回答> 佐川昭(さがわ・あきら)さん 佐川昭リウマチクリニック(札幌市中央区) 

 シェーグレン症候群は、本来は自分の体を守るべき免疫反応が自己の正常な細胞を攻撃してしまう、自己免疫疾患の一つです。特に唾液腺や涙腺などの分泌腺に障害を及ぼします。女性に多く、根本的な治療法がまだありません。 

 質問者の症状で、目が乾燥するドライアイは眼科で傷の有無などを診てもらい、点眼薬の処方を受けてはいかがでしょうか。今は新しい目薬が出ています。 

 口の中の乾燥の対処にはさまざまな方法があります。唾液分泌刺激薬や人工唾液、保湿のため口の中に塗るゲル(ジェル)、口に優しい練り歯磨きや洗口剤(マウスウオッシュ)などです。とりあえずは自分にあった方法を見つけて試すのがよいかと思います。 

 こうした対症療法に加えて普段からの口腔(こうくう)ケアも大事です。精神的な安定を保ち、落ち着いた暮らしをすることも大事でしょう。 

 病気とつき合う方法については、いろいろな冊子が出ているので患者さんご自身で勉強したり、シェーグレン症候群などの患者や家族でつくる全国膠原病(こうげんびょう)友の会《道支部(電)011・512・3233、道難病センター内》に問い合わせたりするのもよいと思います。 

 「治療法がなく症状に応じた対症療法しかない」という主治医の言い方は、実は多くの病気に当てはまります。例えば、風邪でも、高血圧症で原因がはっきりしない本態性(ほんたいせい)高血圧症でも、極端なことを言えば糖尿病でも、まだ根本的な治療法が見つかっていません。 

 でも、一つ一つの症状を手当てしていくことが今、私たち医師や患者さんにできることです。そうすることが病気の悪化やその後の合併症を軽くしたり、減らしたりすることにつながるのです。 

 何よりも、日々のつらい症状を現在ある方法で和らげていくことは、どんな場合でも大切です。ですから今ある方法で少しでも自分の体をいたわりましょう。そうしながら、もっと効き目のあるよい治療法が出てくるのを待ちましょう。

このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2015年1月 5日 18:08に書いたニュースです。

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