対談...病気予防に口腔ケア(2014/12/29 読売新聞)

吉田 口の働き、機能、役割と口腔ケアの大切さのポイントを教えてください。

 栗原 口腔ケアは幅広く、入れ歯の調整なども含まれますが、一般的には、口の中の清掃のことです。高齢者にとって、ケアの一番の目的は、誤嚥性肺炎の予防です。東日本大震災では、震災関連死の原因として誤嚥性肺炎が多いとされているのですが、口腔ケアでかなり防げるのではないかと思います。


 吉田 口の管理ができていないとどうなるのでしょうか。

植田 口の管理は、一般的には歯磨きですが、時間や頻度は人それぞれだと思います。ただ、病気や事故に遭い、口や喉にまひが残った時は食べたり、話したりすることに支障が出るので、リハビリが必要になってきます。健康だと食べるのは簡単ですが、体に不具合が生じると、食事とともに生活の質も落ちてしまいがちです。


コーディネーターを務めた吉田医療部長

 吉田 口のケアと認知症の予防と改善の関係を教えて下さい。

 植田 (口の体操などを通じて)表情が出てきたり、口から食べられるようになったりする事例はあります。一方で、「今日は、好きなリンゴのゼリーを一口食べてみましょうか」と語りかけるなど、診療する側から患者へのかかわりの部分も認知症の予防と改善には大切だと思っています。


 吉田 唾液が口の健康に果たす役割を教えて下さい。

 植田 口のがんの治療のため、唾液腺がない方は唾液が出ず、(歯を酸性の環境から守る)緩衝作用もないことから、しょっぱさや辛さが痛みになってしまいます。また、胃ろうの方が下痢や便秘を起こしやすいのは、唾液による消化作用が働かないからです。唾液には、こうした口内の緩衝作用や消化作用のほか、雑菌から口を守るといった働きがあります。


 吉田 ドライマウスという症状があります。そういう方は多いのでしょうか。

 栗原 臨床の現場では「口が渇いている」という方はかなり多いです。服用している薬の影響が考えられますが、対策としては、唾液腺や顔のマッサージが効果的です。


 吉田 歯に関して、かかりつけ医のよい選び方はありますか。

 栗原 歯科医院に通う人の口コミ、評判で探すのが一番です。歯科医も人間ですので、自分と意見が違う人もいるかもしれませんが、その歯科医にこだわる必要はありません。患者が在宅や施設にいる場合は、医師やケアマネジャー、看護師など他職種との連携も重視されています。現在は、千葉県など行政とも協力したチーム作りも進められています。


このニュースについて

このページは、Uクリニック竹内歯科が2015年1月 5日 18:12に書いたニュースです。

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